境界線は絶対的で、感情は揺らぐ。
いよいよドラマも終盤。金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』(TBS系、毎週金曜よる10時)は第8話を迎える。
2月25日に放送された『王様のブランチ』(TBS)では本作が特集され、主演の井上真央がインタビューで第8話について「事件の真相がほぼ明らかにされる」と語っていた。また、これまで幽霊の直木(佐藤健)とは口笛を使ってコミュニケーションを取っていたが、「コミュニケーションの方法が口笛以外にもう一つだけ増える」という情報も。そして「(悠依は)8話くらいから“覚悟”をしてくる」という言葉もあった。事件の真相はどんなものなのか、幽霊である直木はどうなるのか。まだまだ読めないラストに向けて重要な回となりそうだ。
「私も“そっち”にいっても おかしくなかった」
「思い残しがなくなったら “向こう”に行く」
事件の真相、直木の魂。どちらにも“境界線”がある。犯罪に関わるか関わらないかの境界線。生と死の境界線。その境目がより印象付けられたのが先週の第7話。確かにある“境界線”だけれど、その境目は曖昧で、そこにある感情はぐらぐら揺れる。命のかかった究極の境界線には、より人間らしい感情が現れる。キャストの繊細な熱演を浴びながら、またも心を揺さぶられることとなった。
「あんたは こっち来んな」「こっち来ないでよ」。
ずっと悠依は莉桜(香里奈)の言葉が引っかかっていた。10代の少女たち、動くお金、「絶対に抑えなきゃいけないのに 抑えきれない衝動」。第6話で主題歌『リンジュー・ラブ』が流れた時、莉桜は悠依を残し、何も言わず一人で怪しいワゴン車に乗り込んだ。犯罪の匂いのする“こっち”に悠依が来ないように?呼び止める悠依を見る莉桜の一瞬の表情には、すがる気持ちや絶望・諦めのなかに、悠依を守ろうとする優しさや意志があったのではと思わせる。
第7話のラスト、ぶどうのグミを食べる様子が怪しく映された洋食屋ハチドリのオーナー・英介(荒川良々)は、「そういうのって一度関わると 切れない」「(勝さんがいなかったら)僕もそっち側にいたと思う」と話した。
悠依も言う。「私も そっちにいっても おかしくなかった」。
「私だけが生きてる」「いつも…私はこっちにいる」と罪の意識を持ってしまう悠依に、直木は「いいんだよ 堂々と幸せでいろよ!」と必死に語りかける。
しかし、ここにも境界線がある。