「ひたすら美」「どの瞬間も美しいで溢れてました」「最後の最後まで美しかった」と、視聴者から絶賛され続けている『恋と弾丸』(MBS)。最終話を終えた今も、その“美”の余韻に浸ってしまう。古川雄大は、桜夜の美しさ、怖さ、重さ…全てをその存在感と演技力で魅せた。世界観にハマる視聴者も多く、「桜夜さんロス」「続編希望」の声が多数上がっている。
(以下、最終話ネタバレあり)
様々な古川を堪能できた『恋と弾丸』。あふれだすオーラと色気、そしてその美しさは圧倒的。加えて、ユリ(馬場ふみか)を愛する桜夜を演じることで、甘えたり嫉妬したりと可愛い姿も見ることができた。さらに狂気を感じる愛やヤクザならではの怖さでも魅せ、古川雄大という役者の真髄が垣間見れた。それでいて、公式SNSでは素直に照れたり無邪気な笑顔を見せたりする。そのギャップも含めたすべてが、古川の魅力だ。
最終回は、待ちに待ったセミリオ(黒羽麻璃央)との対決。ユリを逃がすため、高級ウイスキーでセミリオの機嫌をとる桜夜。笑顔なのに、どこか怖い。そんな絶妙な空気を醸し出せる古川の力量に改めて驚かされる。ユリのそばに行き、上着をかけてあげる優しさとの振り幅もさすが。嫉妬で即“上書き”を始める桜夜からは、狂気も感じられた。
セミリオも負けてはいない。
「ユリからもらった恋人の証だ」
ユリに噛みつかれて血だらけの手を見せながら桜夜を挑発する。それを「甘く うずく 真っ赤な指輪」と称するセミリオからも、なかなかの狂気を感じる。桜夜の嫉妬に高笑いする姿は、もはや清々しい。いつものように静かにキレ始める桜夜との対比は見応え抜群。自分を選ばないユリにイラ立つセミリオは、「拷問だ」とナイフを手に走り出すが、かばおうとした桜夜が刺されてしまう。
よく見ると、わずかによろめいている桜夜。朦朧とした目つきとかすかな震えも、そのダメージを物語る。桜夜は、刺さったナイフを自分で抜き、ユリのために気丈でい続ける。
「愛してる」
そんな桜夜からの愛の言葉は、怖くて重い。しかしユリも強くなった。今のユリなら、桜夜を信じて待つことができるだろう。短いが、濃密な二人の時間。桜夜とユリはお互いの気持ちを確かめ合うことができた。狂気を見せていたセミリオが、そんな時間をつくってくれたというのも良い。それは彼の余裕からくるものだろうか。しかし、そんな油断が命取りとなる。