”なる”こと成瀬大二郎役の宮世琉弥。
「えいじさん!またネガティブにじんでる」「大丈夫だって 弾がまた最高の曲 作ってくれてるから。次こそ僕らきちゃうよ ね?弾」と、年長組の栄治(八村倫太郎)にツッコミを入れながら前向きな言葉をかけ、弾(高橋文哉)のことを尊敬して未来を信じていた"なる"。第1話の登場の言葉を思い出すと、誰よりも先に前を見て8LOOMの未来を明るく切り開いていこうとしていたのは、なるだったのかもしれない。
メンバー最年少の宮世は、ここのところ次々と話題のドラマに出演していて「俳優」のイメージが強いという方も多いかもしれないが、ボーカルダンスユニット「M!LK」のメンバーだった時期があり、歌もダンスも経験者。TikTokには、メンバーのNOAとキレッキレで踊る動画も投稿されていて、オールラウンダーぶりを発揮している。ただ、宮世の魅力は、踊らなくても“正解”にしてしまうところ。8LOOMの3rdシングル『Melody』のMVが3日間で100万回再生を突破したときにTikTokで公開された動画。メンバー7人がリラックスしてふざけながら『Melody』の振りを披露しているなか、宮世は両隣りのメンバーの肩を組んで、手振りメインの楽曲で一切手振りをやっていない。顔で踊っている。途中からはただニコニコ楽しそうに首を振っているだけ。しかしその様子が「可愛すぎ 」「お人形さんみたいで可愛い笑」「ほぼ踊ってないのにかわいいの反則」とがっちりファンの心を掴んでしまった。
そんな宮世をかわいがるように、メンバーたちも時にはツッコミ、笑って見守り、一緒になって盛り上がり…ついみんなの反応を一人ずつ見たくなるようなわちゃちゃが繰り広げられる。高橋と宮世の仲の良さが伝わってくる”だんなる”コンビは可愛いの渋滞。二人がくっついている画のビジュアル的可愛さもあるが、話にすぐに反応して同調したり、スキンシップをとったり、信頼関係がふと見えるような瞬間は微笑ましい。8LOOMの関連コンテンツの再生数がどんどん伸びるのは、そんなキュンとするポイントがどのメンバーにもあって、そこに関わる他のメンバーの愛が感じられることが大きいのではないだろうか。
これまで、8LOOMについて「だいすき」「終わりたくない」と発言したりツイートしたりしてきた宮世。ドラマ最終話のライブシーンで“なる”として流した涙は、宮世自身の涙のようでもあり、視聴者の心に深く届いたことだろう。
なるは第9話であす花(本田翼)に寮母をやめて欲しいと告げたことを最終話で謝る。あす花はなるの気持ちを理解していて「今度は自分のために全力で頑張って」と返した。その時のなるの「はい」という返事の響きが、まっすぐで前向きで、とてもなるらしくて、とても宮世らしい気がした。
根拠や説明なんてなくても、やり方を間違えても、純粋な思いや持って生まれた“その人らしさ”が魅力になり力になる。”なる”を宮世が演じたことで、そんなふうにも思わせてくれた。