「一応、別れの挨拶だけ言っておこうと思って……じゃぁな」
※以下第7話ネタバレあり
那由他(山﨑賢人)を前に決別を宣言した隼人(松下洸平)。『アトムの童(こ)』第7話のラストで見せた衝撃の展開。ここにきて、まさかのジョン・ドゥの決裂である。SNSでは「那由他と隼人の決別は、最上の切なさだ…」「ゲーム作りにおいて那由他と隼人はほぼ二人で一つみたいな感じやったやないかぁぁぁぁぁ!!」「『じゃぁな』が切ないよ」「神回でした。隼人、那由他を思ってなんでもしちゃうの!?敵になっちゃうのーどうなってしまうの!?」という書き込みで騒然となった。
きっかけはSAGASの社長、興津(オダギリジョー)の「助けてほしい」という言葉だった。アトム玩具はSAGASに買収されるも、「アトムの童」と社名を変え、復活劇を見せた那由他たち。いまやアトムの童はかつての活気を取り戻し、順風満帆。だが、那由他と隼人は新たなステージを求め、アトムの童を辞めるつもりでいた。
2話で那由他と隼人が絆を取り戻してからの2人は多少のいざこざはあったものの、それはお互いを思いあってのこと。その相棒っぷりは些細な2人のやりとりからもわかる。ティムからシアトルにある会社に誘われたときのこと。「この技術でどんなゲームができんるんだろうって考えると、止まんないんだけど」という那由他に笑みを浮かべる隼人だったが、「隼人もだろ」と言われ、一転して真剣な顔になる。そして「アトムを辞めるのか?」と聞く隼人。那由他がアトムを辞め、新しい技術を使ってゲームを作ってみたい、そのためにはアトムを辞めるしかない…そう那由他が言うだろうことを隼人は予想していた様子。マジメな表情でありながら、わかっているよ、那由他の思いは…そういう微妙な機微を松下は見事に表情と言葉の抑揚で表現している。
結局、2人はアトムの童を辞め、ティムの会社のあるシアトルへ向かうことを決意する。どこへ行くにも2人は一緒。これからもずっと2人の仲睦まじい姿を見られると思っていたのに、またも興津が原因で2人が決別してしまった。しかも今回、那由他は宿敵である興津に協力。それを隼人はよしとしなかったのだ。
宮沢ファミリーオフィス買収の危機にさらされた興津は、助けを求めるためアトムの童を訪れる。興津が株主総会に勝つための切り札としてオリンピックで初めてeスポーツに選定されるゲームの開発協力をアトムの童に依頼したのだ。そんな興津に対し、隼人はどこまでも冷たい目で興津を見る。だが、那由他はアトムの技術であるアトムロイドを取り戻すため、興津に協力するという。