6分以上カットをかけることなく一気に撮影されたという、紬と奈々がカフェで向き合って話すシーン。
わざわざ授業のない日に手話教室の春尾先生(風間俊介)を訪ねて手話に訳してもらった言葉たちは、まさに紬が奈々に話すためだけの言葉。紬が、奈々がどんな人か想に聞いて出てきた言葉や、奈々にとっては嬉しくないかもしれない紬からの感謝の言葉も。
「でも 伝えたくて」
その思いが、正面に座っている奈々にまっすぐ飛んでいく。それはどんなに下手であっても伝わるもの。逆に「質問受け付けます」という紬に奈々が可愛く挙手をして質問するが、それも奈々から紬にだけ飛んでいる言葉であることを表しているように感じる。「想くんとたくさん話したほうがいいよ」と言った奈々はとても穏やかで優しい表情をしていた。手話で話すとき、想の声を聞いていないのは紬も奈々も同じ。最後に想のよく読んでいる本について「私には難しかった」と言った紬に、奈々が「私も」と少し笑って“同じ”の手話をする。奈々が想に最初に教えた手話で、紬と奈々の会話が終わることがとても温かかった。
そのカフェのシーンが紬と奈々で描いた答えだとすれば、想と奈々の関係で描いた答えは図書館のシーンだろう。
小さな男の子が想に「あれ取って」と棚の高いところにある本を取ってほしいと訴える。「赤いやつ」と言っているが想には分からない。その時、想は男の子を抱き上げ、本に近づいて指さすとお目当ての本のところで男の子がうなずく。目黒蓮(Snow Man)が演じる無条件に幸せを感じられるような想の屈託のない笑みと、子供の無邪気な笑顔。奈々が愛おしそうに見た景色は、聴者とろう者が「分かり合えない」と言った世界を温かく打ち消す。
「何話したの?」想が紬にしたのと同じ質問を奈々にしたとき、奈々は水をかけるような仕草をして冗談を言った。「水かけられたりしていない」と言った紬と思考が同じ。そして「気持ちを伝えようって必死になってくれる姿ってすごく愛おしい」と紬のことを話し、手話が伝わっていくことを「プレゼント使いまわされた気分」から「おすそ分けしたって気持ち」に変化したと明かす。
第6話で奈々が叶わないと涙した夢は、想の夢の中で叶っていた。夢で話すときは二人とも耳が聞こえて「奈々の声が聞こえる」のだと。「奈々 声でもすごいよくしゃべるよ」と想が言って二人がクスクス笑い合っていると、本を取ってもらった男の子が来て人差し指を口にあてて「シーッ」と注意する。第6話に出てきた回想では、図書館でおしゃべりをして注意されている子供たちを見て、想と奈々が「こうやって(手話で)しゃべってても怒られない」とクスクス笑っていた。そんな穏やかなシーンは、聴者とろう者が入れ替わっても同じ状況で、奈々が本来の優しい笑顔をうかべる世界はこんな世界であって欲しいと願ってしまう。
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