福原遥がヒロインを務める連続テレビ小説『舞いあがれ!』の第33回が16日放送された。第33回では、失踪した貴司(赤楚衛二)の居場所が五島だということがわかり、舞と久留美が迎えに行く場面が描かれた。貴司と舞(福原遥)・久留美(山下美月)の幼なじみたちや五島の人々とのやりとり、五島の美しい風景、そして貴司を演じる赤楚衛二の演技が合わさって、朝から心を打たれる視聴者が続出。Twitterのトレンドには「貴司くん」の名前が入り、反響も続々と寄せられている。(第33回ネタバレあり)
貴司(赤楚衛二)が3日も家を帰らない状況が続き、会社を辞め失踪していた。皆で貴司を心配していると、舞に一本の電話が。その電話は貴司からで、貴司は長崎の五島にいると分かった舞(福原遥)は、久留美(山下美月)と貴司を探しに五島に向かう…という様子が昨日までの放送で描かれていた。
舞には貴司の居場所の当てがあり、その場所はそれはかつて舞が送った絵葉書の灯台ではないかと予想。空港に降りた舞たちはタクシーに乗って、灯台をめざす。そして、貴司はやはりそこにいた。舞と久留美の突然の登場に驚く貴司だが、二人に、仕事がうまくいかない中、心の拠り所だった古本屋・デラシネの閉店が決定打となり会社に行けなくなってしまったこと、舞からもらった五島の絵葉書を思い出し「僕もここに来たら変われるんちゃうかな…」と思って五島に来たことを打ち明ける。
灯台で舞たちが貴司を見つけた時、貴司は背中を丸め、心細そうな佇まいで座っていた。舞と久留美から声をかけられ、ポツリポツリと自分の気持ちを話し始めるが、その間の表情はすっと五島の空に消えていってしまいそうな儚い表情だった。しかし、話していくうちにこわばった表情が徐々にほどけていく。その心がほどけていく様子は、目線の演技に表れていた。最初は舞と久留美に目を合わすことなく話をしていたが、徐々に目を見て話をするようになる。声は淡々としていて、いつもの優しい貴司のように感じるが、目の配り方ひとつで貴司の繊細な心情が表現されていた場面であった。この灯台のシーンはおおよそ6分ほどあり、まさに今回の肝となるシーンであったが、1秒たりとも見逃せない、聞き逃せない、貴司の語りにぐっと引き込まれるひと時であった。