『石子と羽男』最終回 愛おしい石羽コンビと大庭、何度も味わう幸せと気づき

TV 公開日:2022/09/16 33
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「早く見たい」「終わってほしくない」

期待とロス、両方の気持ちが最大限高まって迎える最終話。1話完結、各回にゲストが登場し石子と羽男が案件解決…と見える側面もあるが、佳境を迎え第1話から改めて見ると、その時は気付いていなかった意味や変化に気付いて、つながっていく感覚を覚える。「あの時実はこういう思いがあったのか」「こんなふうに変化してきたんだ」「この特徴ずっとあったな」「このメッセージがここでも」など、見るたびに新たな気づきがあり味わいが増す、そんな作品だ。




石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系、毎週金曜よる10時~)は16日、ついに最終回を迎える。先週の第9話でもこれまでの回を想起させるようなシーンがたくさん描かれていたが、とくに石子と羽男の関係性の変化と大庭のキャラクターがより鮮明になったように感じた。それは同時にキャスト3人の演技の力でもあるだろう。


このドラマはまずなんといっても、W主演の有村架純中村倫也が演じる石子と羽男の2人の“コンビ感”がたまらない。緩急のある相性抜群の二人の掛け合いは、ずっと見ていたいと思わせる。思いっきり笑える自由な空気と、心を掴まれる繊細な瞬間。二人が抱えるコンプレックスと成長が、この作品のベースにある。


第9話で大庭(赤楚衛二)が逮捕され、石子は自分にできることを考え羽男の家にやってきた。ルールに反するからと家に上がるのを断る石子に「俺だよ 俺 何も起こんないでしょ」と言える間柄。「入んな」の破壊力はさておき、玄関先で石子が濡れた傘をバサバサ振って「中でやる?」と羽男がツッコむ流れまでが石羽感。思い起こせば第1話。石子は羽男のカンペメモを見つけ、上品にニヤリと笑ってドラマは幕を開けた。


天才ぶる羽男は第1話で「ソノコンテント」と突然イタリア語を発し、第2話で眉間にしわを寄せ、第3話でメガネをかけ、第4話で髪型をオールバックに。しかし、想定外のことが起きるとフリーズして手が震え、うまくいかないとすぐに諦めようとする。それに対し、石子は「えっ?何~?」と最初は反発を覚えるも、第2話で眉間にしわを寄せる練習をする羽男に「動きを足した方が」とアドバイスし、「もしつまづいて一度ゼロになったとしてもその方の人生は続いていくわけで もう一度芽を出しまた大きくなれるよう手助けできることも弁護士に憧れた理由」と自分のことを話し、羽男について「十分有能だと感じています」と伝える。第4話では姉・優乃(MEGUMI)の言葉を引きずる羽男を納豆きっかけで飲みに誘った。美しい朝焼けのなか、階段に座って自分の弱い部分を石子にさらけだした羽男は、オールバックの髪をぐしゃぐしゃにし、互いを”相棒”だと認め合った。



第1話で示談交渉に応じなかったカフェ店員(田中要次)に、石子の書いたシナリオ通りに羽男が説明しプランを示すと、店員は「そうさせてもらえる?」と応じる。その時の羽男の目に驚きの感情が見えた。今思うと、それはただならぬ心の動きで、これまで結果を残せずに弁護士事務所をクビになった羽男が石子のサポートで、一つ壁を突破した瞬間だったのかもしれない。
その後パワハラへと発展した案件は、またしても大事なところでうまくいかない。そんな時、石子が一歩前に出る。「情けないって思った」と大庭たちの気持ちを推しはかり石子の表情が正面アップになるのだが、この表情と言葉が「相手に寄り添って支える」そのものだったように思える。


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