『石子と羽男』赤楚衛二らが切り替える明暗、見返したくなる遊び心と深み

TV 公開日:2022/09/02 32
この記事を
クリップ

金曜ドラマ石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系、毎週金曜よる10時)は、随所に遊び心が散りばめられ、何度も見たくなる。細かい演出に思いを馳せる時間も楽しい。


今回は、大庭くん(赤楚衛二)と塩崎さん(おいでやす小田)も大活躍した第7話で感じた、切り替えの楽しさと“傘”について考えながら、大庭くんを心配しつつ第8話に備えたい。(※第7話のネタバレあり)


【石子&羽男フォーカス記事はこちら】一瞬で心を掴む有村架純&中村倫也、魅了する会話と“希望”



毎話冒頭にある寸劇パートは、主演の有村架純中村倫也がさまざまな格好をして、楽しくその回の犯罪をわかりやすく紹介。有村はウェイトレス、小学生、警官、おばあちゃんなど、中村も警官、若者、おじいちゃん、『DEATH NOTE』のL(風?)など、時には本人とわからないくらいのビジュアルや声で視聴者を楽しませてきた。


第7話も冒頭から、二度見不可避案件。登場人物は3人。夜の街で15歳の女の子に「フフフ お小遣いあげようね」と声をかける、いかにも怪しいおじさんを中村、そこに「ぴぴぴぴぴぴー 青少年健全育成条例違反!」とやってくる女性警察官を有村。「君 かわいいね」と声をかけられ「知ってる」と答えた絶対領域あらわな長身の女子は…かなり引きの画だが、おそらく赤楚。早速冒頭から「赤楚くんが女装!?」「オフショが見たい」とファンはざわついた。


これまで、パラリーガル・石子の書いた“台本”通りに弁護士・羽男が法廷などで論じ案件を解決に導くことが多かった『石子と羽男』だが、第7話は石子と羽男が立てた作戦を大庭と塩崎が実行するという新パターン。事務所で作戦を説明する石子と羽男、それを実行する大庭と塩崎の切り替えが目にも耳にも楽しいシーンとなった。


目的は、娘に暴力を振るっているであろう東(野間口徹)の虐待の証拠となる証言を得ること。
プールバーのカウンター。スーツ姿の大庭と塩崎が東の隣へ。


緊張の面持ちでアイコンタクト。塩崎は羽男風?の髪型で、前髪をスッと触る。第7話の最初に聞き込みをしていた羽男も前髪に触れる仕草があった。事務所で実演してみせる石子と羽男もノリノリ。後輩役の中村は「ほんと子どもってカワイイっすよね~」と目をつぶって随分オーバーに顔でカワイイ気持ちを表現。この辺を全力で面白くしてくるのは中村らしさか。「「パパ」「パパ」って迎えにくるんですよ」と最初は実演練習の羽男が肩を上下させて、次は本番の大庭が同じように肩を上下。映像が切り替わるなかで特徴的でかわいい動作が引き継がれる。


一気に本題へ。「シュパッ」効果音とともに、大庭と塩崎が同時に右を向く。
一気に核心へ。羽男の指パッチンと大庭の指パッチンが重なる。


ワクワクする劇伴に乗って、テンポよく作戦が進んでいく。しかし、東に「実際 娘さん…殴ってるんすか?」と核心の核心に迫った時、東の笑顔が消えBGMも消え、東が殴る音だけが響く。


演じる野間口は狂気すら感じる空気をまとい、これぞ!と思わせる表情の違いで闇が一気に露わになり、音の演出はその闇の恐ろしさと生々しさをものすごい落差で伝えてくる。


証言が得られ、

「パーン」とビリヤードの球が放たれ、
「へぇ~!」と大庭と塩崎が緊張を破る。
「いいですか!」と子供の発表会のように大庭と塩崎が息を合わせてセリフを言ったら、ここから大庭が羽男のごとく早口でまくし立てるが…えっ?嘘 嘘 嘘 嘘!刑法第何条なのか忘れてしまうところが大庭くんなのだった。


目にも耳にも心地よい。メッセージは重たいながら、リズミカルでテンポよく進むこのドラマを象徴するようなシーンとなっていた。


1/3ページ

この記事の画像一覧 (全 20件)