『石子と羽男』一瞬で心を掴む有村架純&中村倫也、魅了する会話と“希望”

TV 公開日:2022/09/02 26
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「人生」って…些細なことで変わると思うんです――


金曜ドラマ石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系、毎週金曜よる10時)先週の第7話。居酒屋シーンでの石子(有村架純)と羽男(中村倫也)の会話は、二人の空気に惹きつけられながら、その言葉を起点にドラマを見たくなるような印象深いものだった。そして、第7話の結末は、石子と羽男に少し希望を与えたように感じた。第8話を前に、このドラマのキーとなりそうな会話をじっくり考える。(以下、第7話ネタバレあり)



階段から落ちて血を流しながら運ばれる少女を見て、石子は両手で顔を覆い座り込んだ。ただ事じゃないと瞬時に察する羽男。

「さっきの…どうした?」

一瞬で視聴者の心を持っていったこのセリフは、言い方としてはちょっと上からのようにも思える。でもそれが、近い距離で石子を包み込んで守っているように感じる愛情深いトーン。「何も」と笑顔をつくってみせる石子には、心配そうな視線を投げかけたものの「そう…」とだけ言ってそれ以上は聞かない。「そう…」の一言にも、石子の抱える何かを慮る温かさと踏み込まない気遣いが入り混じる。“相棒”という関係性の2人の距離がとても近く感じた。


第7話は、キッチンカーを破損させた人物を捜す石子と羽男が、繁華街でたむろする未成年のひな(片岡凜)と美冬(小林星蘭)に出会う。


ひなからのSOSを受けて駆けつけると、美冬が階段から転げ落ち大ケガをしていた。その原因は、長年暴力で支配してきた美冬の父親(野間口徹)にあった。


案件解決の糸口を見出し、まるで悪代官と番頭が悪だくみをするかのように調子づく石子と羽男。羽男は扇子を広げてご満悦、石子も腕を組み、したり顔で同調。ちょっと調子に乗りすぎた羽男が石子の真顔にを見て「ハハ…えっ?」と高笑い中止。コミカルなやりとりに思わず笑顔になったのもつかの間、珍しく石子はその父親に対して感情的になってしまい、父親を怒らせてしまった。


居酒屋。


「思ってた展開と違~う」とボヤく羽男に謝りながらも、ひなと美冬を助けたいという強い思いを口にする石子。「これをきっかけに人生が変わるかもしれない」と言うと、羽男は「大げさ」だと言った。ここで一気に、石子の思いつめたような表情と空気に引き込まれ、会話の中枢へ。


「「人生」って…些細なことで変わると思うんです」


語られたのは、石子が司法試験に4回落ちている理由。初めての司法試験に向かう途中、たまたま目の前で事故を目撃し、毎回その事故のことを思い出してしまうのだという。耳を傾ける羽男の目にも静かに衝撃が走る。「誰かの人生が変わるのなんて一瞬」で、事故や事件があった場合、当事者や家族だけでなく「ただ目撃してしまった人の人生も 一瞬で変わってしまう」と話す石子。だから逆に、たまたま自分たちと出会って繋がりができた美冬とひなの人生を「少しでも変えられるかも」と願う。まっすぐに羽男を見つめる石子の目には、涙が浮かんでいた。


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