『石子と羽男』心に留まる1シーン、丁寧な描写と惹きつけられるキャストの熱演

TV 公開日:2022/08/26 29
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細やかな描写が説得力を生む。
金曜ドラマ石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系、毎週金曜よる10時)は、気付いたら1時間あっという間。ストーリーは二転三転、役にハマった俳優陣の自然で遊び心あふれる演技を堪能し、現実の問題に目を向ける。1話にどれだけのものを詰め込んでいるのかと思うほどの濃い内容だが、受ける印象は軽やかで丁寧だ。ちょっとしたシーンで笑顔になれたり、心が痛んだり。どのシーンも深く印象に残る。



例えば先週の第6話で、石子(有村架純)は羽男(中村倫也)の後押しもあって、大庭(赤楚衛二)の告白を受け入れる。


【羽男の温かさはこちらで詳しく】


大庭のまっすぐなところ、細やかな気遣いや奥ゆかしさ、ちょっと回りくどい説明をしてしまうくらいの誠実さ。石子は大庭の“いいなあと思う”ところを挙げた。それは、第6話の中だけでも十分に伝わってくる。


防犯カメラの映像をチェックする石子を大庭が手伝いに来た場面。


大庭は自分で持ってきたレジ袋を嬉しそうにガサゴソ。石子に差し出したのは、石子と共通の思い出があるパックのいちごオーレ。レジ袋から取り出す前からキラキラ笑顔がこぼれてしまっている。「懐かしくないすか?」「見かけた瞬間すぐ買っちゃいました」と無邪気に言う大庭は、間違いなくまっすぐで、差し入れするという感覚ではなく買いたくて買ったのだろうと想像する。そして、赤楚が演じるからこその爽やかさと愛らしさが良く出たこのシーンは、視聴者から「大庭くんいちごオーレ似合う」「可愛いが渋滞」「何度も見返しちゃう」という声も上がった。


また、大庭の送別会の場面では、実家から送られてきた“水ナスのぬか漬け”を持って来ていて、「一般的なナスと比べて 水分が…」と説明を始めると、羽男に「水ナスの説明 大丈夫だから」とツッコまれ、綿郎(さだまさし)から「それが 何なの?」とやさしく答えを促される。


「母が泉州出身で 先週 実家行った時に… あっ 今の『センシュウ』というのは前の週っていう意味で…」と答えになかなか辿りつかず、「分かるよ 不安になりすぎだよ」と羽男にまたツッコまれてどんどんトーンダウン。「いりませんかね…」としゅんとして、みんな慌てて「いやいやいや…」「いるいるいる」。回りくどさも誠実な感じも、皆の温かい空気とともに伝わってくる。


もちろん第6話だけでなく、それまでも大庭のキャラクターが端的に表れたシーンが挟まれ、しかもその大庭を赤楚が応援したくなる魅力たっぷりに演じているからこそ、石子が告白をOKしたことも、大庭が思わずハグして「今のは なしで」「あっ いや ありです ありなんですけど あの…」という件も、たとえ“告白OK”という結果に驚いたとしても受け入れやすいものになっているのだろう。

【大庭くんハイライトはここ!】『石子と羽男』笑顔もたらす赤楚衛二、中村倫也との空気感も楽しいハマり役


逆に、つらさがリアルに伝わってくる描写もある。

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