『石子と羽男』反響呼んだ名シーン「泣けるほどに美しかった」中村倫也が魅せた葛藤

TV 公開日:2022/08/11 95
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「ふるさと納税 やってる?」
ケガをした自分を部屋の前まで送り届けてくれた石子を呼び止める羽男。こちらの誘い方も斬新。声をかけたそうにする間でドキドキさせてしまう中村倫也の表情は…もうズルい。ドラフトビールについて話し出し、「それが何か?」とうんざりしたように聞く石子を制すように「だから…!一緒に 飲まない? って」。どんだけ不器用なんだ。「えっ?」と大きめにリアクションしながら、少し間をおいて「はい」と微笑む有村架純も…やっぱりズルい。散々な目に遭って疲れが入り混じったような生っぽさもあって、二人の会話は何度も見たくなる。


マンションの非常階段でビールを飲む二人。石子はブレない。気軽に男の人の部屋には上がらない。
朝焼けに心が溶かされるように、羽男は「やっぱ気にしてたわ」と話し始める。自分のコンプレックスを打ち明け、自信がなくて示談での解決を望んでいたと話す。辺りは時間の経過とともに少しずつ明るくなっていく。「覚悟が足りなかったんだと思う」と弱さを受け入れ少し下を向いた羽男の頬を朝日が照らす。石子は思いつめたような表情で寄り添った後「何 弱気なこと言ってんだ そこの弁護士!」と一発シバく。世界はまた一段明るくなっていた。司法試験に4回落ちた自分と比べて「あなたは受かった それだけで自信持ってくださいよ」と優しく励ます石子の声は温かかった。


ビールを飲みながら、髪をぐしゃぐしゃにする羽男。天才ぶってオールバックの髪型にしていた自分の心を振り払うように。第4話の最初にドライヤーをざっとかけて髪がぐしゃぐしゃのまま「まあいいや」と独り言をいう“オフ羽男”が出てくるが、石子の前でも羽男はありのままの飾らない姿を見せていることになる。そんな描写からも、石子と羽男の距離が縮まったことを感じさせる。羽男はこの後の裁判で、石子が書いた台本通りに裁判を進めるが、一つ自分で言葉を付け加える。「私の…“相棒である”パラリーガル」と。


このドラマの制作発表会見で、石子の父親役のさだまさしが本作について「一人一人が何かコンプレックスを抱えていて、そんななかで一生懸命がんばってる」と話していた。第4話は、羽男が自分のコンプレックスに正面から向き合って一歩踏み出そうと“一生懸命がんばってる”回だったと思う。そんな羽男を笑顔で見つめる石子。太陽が昇って世界を照らす中で響いた「助けたいですね」という石子の声は、羽男が一歩踏み出す未来にも、二人のいる世界にも希望の光をもたらしているようだった。


ますます愛おしくなる石羽コンビだが、次回はどんな名シーンを見せてくれるのか。


予告映像には「解散の危機!?」の文字も。第5話も見逃せない。


文・長谷川裕桃



▶第3話の1シーンはここ

▶振り返りコラム:軽やかで重い『石子と羽男』にハマる


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