『テッパチ!』町田啓太の原点回帰、男臭さあふれる姿に重なる成長の年輪

TV 公開日:2022/07/20 20
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町田啓太といえば、“チェリまほ”の誠実でマジメな黒沢役をイメージする人は多いだろう。マジメ過ぎるがゆえ、苦悩していた完璧サラリーマンの黒沢を見事に演じ切り、ブレイクした町田。まぁ、安達(赤楚衛二)あってこその黒沢だったけど。ただ思い出してほしい。劇団EXILEとしての初出演作は舞台『ろくでなしBLUES』だった。演じたのは主人公・太尊の親友でケンカっ早い米示。これが2010年。2012年にはケンカに明け暮れる高校生たちを描いたドラマ『シュガーレス』にも出演。そう考えると、今回の少し刺々しくもユーモアのある宙という役どころは、町田の原点ともいえそうだ。


いよいよ検定試験がスタート。白いキャップを逆に被った宙と荒井との対決は腕立て伏せから。勝負は一進一退。腕立て伏せは荒井が勝ち、腹筋では宙の勝ち。苦しそうにあえぎながら腹筋をする宙が、なんとも美しく見えてしまう。イケメンの苦痛にゆがむ顔というのは、ある意味、貴重だといえそう。そして最後の3000メートルがラストバトル。もう疲れ顔のオンパレードである。勝負の行方がつこうとした瞬間、宙は足元がふらつき転倒。その間に荒井がゴールを駆け抜け、荒井の勝ちで決着がついた。ハァハァと息をつく宙とすれ違いざま、荒井が「じゃぁな」と言葉を発し、宙はなんともいえない表情を見せる。


夜、1人でたばこを吸っていた宙の隣に荒井がやってくる。そこで裕福な実家に甘えたヤンキーだと思っていた荒井が、実は愛人の子だと知る宙。「ここで頑張るしかねぇ。ほかにいる場所ねぇしな」という荒井に宙は自分を重ねる。すると、自分のたばこがありながら、荒井は宙に「1本くれよ」と。ぶっきらぼうにたばこを渡すと(結局、宙は優しいのだよ)、箱ごと受け取り「これでチャラにしてやるよ」と言って荒井はその場を去っていった。荒井、カッコイイじゃないか。まぁ、2人とも素直じゃないだけ。でも、これこそ王道ともいえる熱血青春ドラマの展開。ライバルだった2人が、少し心の距離を近づけた瞬間である。


2人のことを悟空とベジータと評するシーンがあった。どこまでも強くなっていく自由な悟空と、プライドの高いベジータ。有名なシーンで自分たちより強い者たちがどんどん現れ、「頭にくるぜ、なぁ、カカロット」というベジータの名ゼリフがある。2人のように宙と荒井は強敵と書いて“とも”と呼べるような存在になっていくのであろう。そして、2人でもかなわないような“敵”が今後、出てくると予感。これからの2人の関係に期待したい。


文:今 泉

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