新町(綾野剛)を縛る夢という呪い 心えぐる転落からの熱い再出発『オールドルーキー』1話

TV 公開日:2022/06/28 13
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俳優・綾野剛にとってTBS日曜劇場初主演作となるドラマ『オールドルーキー』の放送が6月26日21時よりスタートした。



本作は、37歳で突如現役引退に追い込まれてしまった元日本代表のJリーガー・新町亮太郎(綾野剛)が、新たな目標に向かって生きるヒューマンドラマであると同時に、もう一度娘が誇れる父親になるために奮闘する家族再生の物語。


第1話は主人公・新町亮太郎の挫折からの再起に胸が熱くなる展開で、綾野剛の明るく陽気な姿や、現実に打ちひしがれる悲壮感あふれる姿など、幅広い演技がみどころ。“サッカー選手”という夢にとらわれるがあまり、なりふり構わず土下座までして泣き叫ぶシーンは必見だ。(以下、第1話ネタバレあり)


主人公の新町亮太郎(綾野剛)はJリーガー。かつて日本代表としてワールドカップ出場の立役者となり、現在はJ3の「ジェンマ八王子」に所属する37歳だ。明るく優しい性格で、チームのムードメーカーとして、J1や日本代表への復帰を目指しながらサッカー一筋の人生を送っている。元アナウンサーの妻・果奈子(榮倉奈々)と2人の娘・泉実(稲垣来泉)と明紗(泉谷星奈)との関係も良好で、仕事にもプライベートにも恵まれた順風満帆の日々だった。



しかしある日、突如としてチームの解散が告げられ、新町から笑顔が消える。


こうして第2の人生に踏み出すのかと思いきや、そうはならないのが新町亮太郎。彼には現実が見えていなかった。チーム解散の報を聞いて一発で深刻な表情を浮かべる妻の果奈子とは対照的に、「明日、ネットでニュースが出た途端、うちに来てくれって電話がバンバンかかってくるから」「あ、これむしろチャンスかも。J1復帰もあるかも」とあくまで前向きに事態をとらえている。そんな夫に、信じられないものを見るかのような眼差しを向ける榮倉奈々の演技が見ている者の不安を煽る。


果たして解散発表から2日が経過しても新町の電話は鳴らない。それなのに本人はどこまでも楽観的で、電話がかかってこないのはチームが自分の電話番号を知らないせいだとポジティブ解釈。自ら古巣に電話をかけて売り込みを図る。あっさり断られるも「やっぱJ1屈指のチームだもんなあ。そりゃフォワードは充実してるよ」と挫ける様子はない。


ここまでくれば我々視聴者にさえ、彼のサッカーキャリアの終わりが見え始める。本人以上に現実を理解しているらしい妻の、応援したい気持ちと引き留めたい気持ちの入り混じった表情が視聴者の心の声を代弁するかのようだ。


見かねた妻のアドバイスを受け、新町はスポーツマネジメント会社「ビクトリー」を知る。現役アスリートの代理人やマネージメントを務める“裏方”の企業だ。社長・高柳雅史(反町隆史)、若手社員・深沢塔子(芳根京子)と顔を合わせ、移籍先の希望条件を伝える新町だが、その内容からも現実の見えていなさが伝わってきてヒヤヒヤさせられる。


J1所属時の最高年俸は5200万円も、J3に所属する現在の年俸は450万円。37歳になって確実に体力的に衰えているにもかかわらず当時と同じ年俸でJ1に移籍できると本気で思っているところが、サッカーに詳しくない者からすると恐ろしいとさえ感じる。「ビクトリー」社内でただ一人新町のことをヒーロー視する城拓也(中川大志)でさえ、「J1復帰」「日本代表復帰」という目標に「さすがに無理でしょ」と苦い顔を浮かべるのだから、新町がどれほどポジティブをこじらせているかがよくわかる。


そしてついに、決定的な瞬間が訪れる。


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