『インビジブル』高橋一生、怒涛の展開の中でも光る絶妙な“らしさ”

TV 公開日:2022/06/08 13
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犬飼課長(原田泰造)が死んでしまった。志村(高橋一生)を陰ながらフォローし、信頼のおける上司として志村にとっても、大きな存在になっていただけに途中退場は、惜しいし、悲し過ぎる。そして亡き安野刑事の妹、東子(大野いと)がやっと舞台に上がってきたが、今回の主役は検察官の猿渡(桐谷健太)だった『インビジブル』第8話。


※以下第8話ネタバレあり

登場したクリミナルズはターゲットを殺す瞬間をサプライズ満載のショーにして依頼人に配信する「興行師」。ターゲットとなったのは東子を含む3人。そのうちの1人は警視庁副総監 ・牧野(羽場裕一)の息子である。殺人ショーのライブ配信の招待状をキリコと捜査一課に送ったキリヒト(永山絢斗)は、1時間以内に依頼人から依頼を撤回させれば、殺さないという。牧野副総監の息子の首には、大きな鎌がついたギミック。そのおどろおどろしさは、天地茂が明智小五郎を演じたドラマ『江戸川乱歩の美女シリーズ』を思い起こさせる。

そして副総監が隠ぺいした息子の事件を見事、暴き出したのが猿渡だ。警察が犯人の要求に屈することはないという副総監。最初は副総監の言葉に従った猿渡だが、言葉たくみに副総監が隠しているはずの証拠を引きずり出す。あくまで冷静に、表情も変えず、被害者に寄り添おうとする猿渡はスタイリッシュイケメン。


いつも暴力的な志村とは真逆の存在。依頼者にもう一度事件捜査を行うことを約束し、謝罪した猿渡に「いいのか?」と志村は問いかける。すると「犬飼課長なら、きっとこうしました。それに前からあの副総監は大っ嫌いでした」と猿渡。今までの猿渡なら、こんな私的なことは言わなかっただろう。猿渡も志村を信頼し、変わってきた証ともいえるセリフ。そんな猿渡の言葉に目を見開く志村は、頷くかのように小さく首をゆらし、横顔は少し笑っているように見える。怒涛の展開が続く本作だが、こういった高橋一生の絶妙な“らしさ”が作品に深みを与えている。このシーンも一瞬だが、2人の心が通い合った瞬間だ。

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