『正直不動産』ドラマを面白くする役者の名演、山下智久らの緩急に魅せられて

TV 公開日:2022/05/17 16
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スマイルは?


毎週火曜よる10時から放送中のNHKドラマ10『正直不動産』。「毎回面白い!」「毎回泣けます」「推しポイントが多い」「名作」と、SNSではとにかく賛辞が並ぶ。現在、全10話のうち第6話までが放送されているが、NHKでは予想をこえる再放送への要望があったとして、2度目の連続再放送が決定。18日第7話放送後の深夜から、3日間かけて3話~6話を再放送する(再放送の日程は本文後に詳しく記載)。


“たたり”によって嘘がつけない体になってしまった登坂不動産の営業マン・永瀬財地(山下智久)は、嘘をついたり本音を黙っておこうとすると顔に風が吹き、客に言わなくてもいいことまでペラペラ。おかげで客は激怒したり、契約寸前の案件も台なしに。しかしその“正直営業”が痛快で、感動の人間ドラマを生む。


毎週多くの視聴者を楽しませている『正直不動産』だが、ストーリーや脚本、演出の妙はもちろんのこと、主演の山下智久をはじめとしたキャストの演技がまた魅力的だ。


回が進むにつれて、楽しさもあるなかで心にグッとくる度合も深くなっている印象。後半戦に突入した先週の第6話は「神回」という声も上がり、山下智久と市原隼人の緩急のある芝居に引き込まれ、楽しんでいるうちに、やがて心の奥で感動し続けてしまった。ストーリーの緩急と役者の演技の緩急がハマると、ドラマはこんなにも面白くなるのか、と実感した回でもある。(※以下、第6話のネタバレあり)



第6話、「竹鶴工務店が、所有する土地に家を複数建てるので、その家を売りさばく」というのが永瀬(山下智久)と桐山(市原隼人)の二人に任せられた案件。桐山は永瀬をライバル視し、二人はもともとバチバチな関係。桐山にはスパイ疑惑も浮上していた。竹鶴工務店は業績も悪く、下請けに安い金額で建築を丸投げしようとしているクソ会社。「営業するだけ時間の無駄」だと食い気味に永瀬に切り込む桐山の眼光は鋭い。それに対し永瀬は、「絶対に売れない物件なんてない」「客のニーズに合わせて売るのが俺たち営業の仕事でしょ」と桐谷を諭すように言う口調や表情には、余裕と熱さが同居。


そこから10秒、月下の怯えるカットも挟みながら見つめ合って目で戦う二人。飄々としたところと熱さのバランスが絶妙な山下智久。デキる自信と隙のなさの中に危うさを漂わす市原隼人。第6話の始まりとともに二人の演技合戦の幕も開いた。


と思ったら…

永瀬「よし 行こうか」
桐山(目を逸らす桐山)
永瀬「スマイル。ハッ」(←これ反則キラースマイル)
桐山「はぁ…。」
永瀬「はいはい。」


まずは、山下がコメディの巧さを挟んでくる。「スマイル」を桐山に促すと、一瞬で口角を上げて少し眉も上げて「ハッ」とスマイルのお手本。桐山塩対応のあとの「はいはい」のびっくりするほどのテンションの低さ。その間も絶妙で、何度見てもクスッと笑ってしまうシーンに。


かつてはセールストークで客に調子のいいことを言って営業成績No.1だった永瀬だが、本音しか話さず成績は下がる一方。そんな永瀬に桐山は疑問を持っている。夢みる客に現実をまくしたて、いらぬことまでいってしまったグッナイ状態の永瀬に、桐山は「何で あんなこと言ったんです?」と問うが、「すいません。何で あんなこと言ったんでしょう?」。永瀬のため息に、桐山は驚いたように少しだけ目が泳ぐ。普段本心をなかなか見せない桐山だけに、そのわずかな変化が人間らしく感じられ、「実はいい人?」「実は心配してる?」といろんな想像をさせてくれる。永瀬が下請け会社に建築プランの見直しを頼みに行こうと誘い、桐山に「ほら行くぞ。ほい ほい。よし!」とスーツの上着をかけてあげる場面でも、桐山は目が泳いで戸惑ったような態度。どこか可愛げがあるのだ。


桐山がスパイなのか確かめようと、部長が思いついた“妙案”会社飲み。永瀬は神妙な面持ちで枝豆をつまみながら、心の声で部長をディスり、酒が強いともてはやされる桐山に対抗心を燃やしてビールをグイっ。最終的には、酔った榎本さん(泉里香)に「ちょっとぐれえ顔がいいからって調子に乗ってんじゃねぞ タコスケが!」と絡まれタジタジ。このドラマ、「顔がいい」というワードがちょこちょこ出てくるが、山下の整ったルックスで暴言を吐いたりコミカルな表情をするから、そのギャップがまた余計に笑いを生む。


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