1日に第4話が放送された二宮和也主演の日曜劇場『マイファミリー』(TBS系、毎週日曜よる9時から放送)。前回の第3話で、誘拐事件が完結。警察を排除し、自分たちだけで犯人と交渉して娘を取り戻した鳴沢夫婦は、一躍時の人に。第4話では、そんな鳴沢家やその友人たちのその後が描かれた。第4話予告の「何で こうなるんだよ」という温人(二宮和也)の叫び通り、物語は新章に突入し予想外の展開へ。SNSでも「犯人全くわからない」「怖すぎる」「ワンシーンも逃せない」と放送後も反響が相次ぎ、「今期ダントツ面白い!」の声も上がっている。登場人物それぞれの背景が見えてくると、表情ひとつでも見逃せない。ひとりひとりの想い溢れるシーンや、何度も確認したくなる伏線の数々は、視聴者を夢中にさせている。ドラマは、鳴沢温人(二宮和也)と妻・未知留(多部未華子)を中心とした家族の絆が試されるノンストップファミリーエンターテインメント。
(以下、第4話ネタバレあり)
前回ラストの「ホシを野放しにしたことを あなたは必ず後悔する」という捜査一課・葛城(玉木宏)の言葉。
これは視聴者の心にもずっと残り続けていたことだろう。
温人(二宮和也)は、“成功”したはずなのだ。“失敗”したのは警察の方。娘の誘拐事件から1年。殺伐としていた鳴沢家も、妻・未知留(多部未華子)が妊娠し、これからの明るい未来に希望を感じ始めていた。
葛城の言葉に言いようのない不安を抱えながらも、未知留と娘・友果(大島美優)を笑顔でみつめる温人の顔は、幸せそのものだ。二宮和也が演じると、何の変哲もない穏やかな日常が、こんなにもリアルに感じられるのかと驚かされる。家族への愛情がストレートに伝わってくるのは、ただもう本当に嬉しそうに見えるからだろう。視聴者からも、「鳴沢家の幸せな時間、よかったなぁ」「演技が演技じゃないみたいにナチュラル」「ずっとこのままでいてほしい」とコメントが集まった。
一方、警察は手がかりをつかむことはできていなかった。
鬼気迫る葛城は、「迫力が凄い」「玉木宏が怖すぎる」と登場のたびに話題に。異常にも見える葛城の執着心だが、第4話では鳴沢夫婦の友人・東堂(濱田岳)から「俺が信頼できるのは 葛城さんだけです」と言われるシーンも。
東堂は今回の誘拐事件が、過去に起きた別の事件と同一犯だと考えていた。その事件の犯人も捕まっていない。東堂が警察をやめたきっかけはこの事件で、そのときも葛城が捜査していた。事件への強い想いがうかがえる二人のシーンでは、葛城の人間らしい一面が垣間見えた。事件から1年経っても、“心春ちゃん”と友果の事件を絡めて熱心に捜査を続ける葛城の姿が映し出されると、SNSでも「葛城にもなんらかの事情がありそう」「良い人に見えてきた」など、印象が変わったというコメントで盛り上がった。しかし、強引な捜査や鋭い目力に圧倒される視聴者も多く、たまたま通りかかったと話す葛城にも「タイミング良すぎて逆に怪しい」「なんでいるの」と疑惑の声が上がっている。
友果の誘拐事件は、いくつかの人生が動くきっかけとなった。
事件で有名になった鳴沢夫婦は、温人が社長を務めるゲーム会社から“夫婦共作”の新サービスを発表。家族との時間を大切にするそのゲーム内容は、事件がなければ生まれなかったものだろう。鳴沢夫婦の会見を生配信してきた阿久津(松本幸四郎)の会社も、視聴者数を増やし収益を上げていた。
“心春ちゃん”を誘拐した犯人をつきとめたい東堂は、誘拐事件が注目されていることを利用し、リサーチ会社を立ち上げる。世間の関心が高いうちに、できるだけ情報を集めたいと期待する。鳴沢夫婦の友人・三輪(賀来賢人)も、友果の救出に一役買った敏腕弁護士として名声を上げ、羽振りがいい。娘とも幸せそうに過ごしていた。
そんな中、友果が誘拐された事件の“暴露本”が発売される。鳴沢夫婦と友人の東堂、三輪の4人しか知らないはずの内容を見て、温人は三輪が書いた本だと確信し激昂。三輪のこの裏切りには「ほんとうに三輪が書いたのか…ひどい」「最低なヤツ」と鳴沢夫婦に同情の声が集まった。復活したと思われた友情も、壊れ始める。誘拐された友果も、まだ事件の傷が癒えていない。前を向き始めた温人だったが、未知留はまだ不満を口にすることも。それぞれが希望を見出して進んでいるように見えるが、常に危うさが感じられる登場人物たち。これからどう生きていくのか、その人生にも注目したい。