いちばんの友達・雪との心の壁をあらためて感じ、寂しそうに歩き出すリナ。リナのパパ活相手の発言にやるせない気持ちで崩れ落ちる雪。2人はまた前のような関係に戻れるのか・・・。
大人気マンガを実写化したMBS/TBSドラマイズム『明日、私は誰かのカノジョ』(通称「明日カノ」)。「レンタル彼女」「パパ活」「整形」「ホスト狂」とそれぞれコンプレックスや悩みを抱えた5人の女性のリアルな心理が描かれる。
お互いを大事に思いつつも、それぞれ本当のことは打ち明けられずにいる雪(吉川愛)とリナ(横田真悠)。第2話のラストでリナが見たものはレンタル彼女をしているときの雪の写真だった。心揺れるリナが第3話で雪にかけた言葉や、語らずとも伝わる登場人物たちの思いが心をヒリヒリさせる。
(※以下、第3話ネタバレあり)
「君たち女の子の価値には 期限があるってこと忘れない方がいいよ。」
その若い女の子に金を払って相手をしてもらっているお前がそれを言うのか。そう誰もが思ったのではないだろうか。この全女性を敵に回すような発言をしたリナのパパ活相手・飯田(神尾佑)の行動が雪とリナのすれ違いに拍車をかける。
手切れ金を飯田から渡された後、一人ホテルで雪と出会った入学式を思い出すリナ。翌日、友達だと思っていたのは自分だけなのかと、雪に想いをぶつけた。一言でも発してしまったら、リナを傷つけてしまいそうで言葉を詰まらせる雪の辛そうな表情が見ていて苦しい。
今回、視聴者の気持ちを代弁してくれたのが雄大(井上想良)ではないだろうか。原作にはないドラマオリジナルの言葉も加わり、人の心に寄り添う彼の優しさが感じられた。
「レンタル彼女をしてるって話すことで その言いたくないことまで言わなくちゃいけなくなるのかもしれない。」
雪の事情に触れ、人との付き合い方は人それぞれ違うのだとリナを諭す雄大の言葉が、この後雪がどういう行動に出るのか、想像を掻き立てる。
雪は、顔の傷痕を隠さず素のままの姿でリナの前に現れた。そして自分がどんなにリナのことを大切に思っているかを伝える。本来ならお互いの気持ちを伝えあい仲直りをするシーンであろう。でもリナが発した言葉は、リナを抱きしめ返そうとする雪の手を止めた。
「かわいそう!そんなひどい痕 隠してたなんて。ごめんね!気付いてあげられなくてごめん。本当につらかったよね。」
意を決して秘密を打ち明けたのだから、「打ち明けてくれてありがとう」という言葉を期待していただろうに。信頼していたリナから、哀れみの言葉で同情されてしまった雪。原作にはない「かわいそう」という言葉が加わり、第1話で雪が壮太(楽駆)に傷痕を見られたシーンを思い出す。
雪の気持ちが痛いほど伝わってくるからこそ、なぜその言葉を言っちゃうんだ、リナ…と思わずにはいられない。SNSでも、「すごいこと言うな どんな神経してるんだ」「リナ何も分かってないのな」「見てて心が痛かった」と、雪を思いやる声がとても多い。自分の言葉に雪がどんな反応をしたのかも知らず、仲直りできたと喜ぶリナ。より一層2人の溝が深まったように感じてしまう。
リナに仲直りを勧め、優しく見守る雄大は、彼女ができたから合コンには行かないと誠実さを見せる。
しかし、そんな彼氏ができてもなおリナがパパ活を続けていることに、やがて気付いてしまうのだろうか…。