“ジャニーズで俳優”捉え方に変化 「居場所が無い」から「そっちのほうがかっこいい」へ
──ドキュメンタリーの中では、高校生ぐらいの時に周りが売れていくのを見て、ご自身は演劇の道へ進んだと話していらっしゃいましたが、事務所へはどのようにアプローチしていったのでしょうか。
会社の人たちには「舞台の経験をもっとしたいから機会があったらたくさんやらせてください」と言いました。「舞台をやりたい」と言っても、どういう劇団があってどういう劇場があって、どういう役者さんたちがいて、何が面白いのか。自分に合うのか、合わないのかも全く知らなかったから、とにかくいろいろなお芝居を見に行きました。それで先輩に「あそこのお芝居面白いよ」というのを聞いたりして、だんだん自分の好みもなんとなくわかってきたんです。
──「演劇」というものを知るところから始めたんですね。
漠然と自分の周りに居る演劇人の人たちがかっこよく見えていたんです。どうしようもないような雰囲気の人もいるんだけど(笑)、そのどうしようもなさがまたかっこいいというか。舞台を見に来てくれたお客さんたちが、明日も頑張ろうと思えたり、その日の夜ご飯が美味しくなったり、恋人のことをもっと好きになったり。そういう姿を目の当たりにして、「かっこいいなこの人たち」と憧れていたんです。それで「ちゃんと知らなきゃ」と思って、勉強するようになりました。
──ジャニーズといえば歌って踊るアイドルが主流だったと思うのですが、生田さんは俳優としての道を切り開いていくことに苦労はありませんでしたか?
23歳くらいの頃までは、名前の後ろに“(ジャニーズJr.)”と入っていたんですよ。「もう無理があるだろう」「早くこれ取ってくんないかな」と思っていました(笑)。ある日気付いたら、カッコはつかなくなっていたんですけどね。
それまで「自分の居場所が無い」と思っていたんです。ジャニーズの中では「役者だけやっている人」と言われるし、外に行っても「ジャニーズの人」と言われる。「俺はどこの誰なんだろう」と思っていました。
でも、それをめちゃくちゃポジティブに考えると「俺はどこにもカテゴライズできない存在なんだ」と思えるところに至ったんです。「そっちのほうがかっこいいじゃん」って。せっかく誰とも被らない、誰もやったことがないことをやっているのに「なぜ自分をどこかに属そうとしているんだろう」と、考えるようになりました。
──それから今までの期間、俳優業を続けてこられた理由はなんだと思いますか?
俳優ってすごくお得な職業なんですよ。免許を持っていなくても医者になれるし、学校の先生にもなれるし、美女と恋愛もできる(笑)。それは冗談半分ですが、僕は明確に目標を決めてきたことがないから「面白そうなほうに歩を進めてきた結果、今の自分がある」という感覚なんです。
「出会い」ってやっぱり面白いんですよね。緊急事態宣言で仕事が全部飛んだ時、その年の仕事納めが4月になるかと思うほど暇になったんですが、そんな状況で「一緒に舞台やりませんか」って黒柳徹子さんからオファーがきたんですよ。それもまた出会い。その時その時のタイミングで、絶対に描き切れない地図が、勝手にできていくんですよね。それがモチベーションかもしれないです。
取材・文:山田健史
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