生田斗真「居場所が無いと思っていた」“俳優”という選択と葛藤

TV 公開日:2022/06/01 13
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俳優・生田斗真が新作歌舞伎に挑戦する模様を追ったNetflixドキュメンタリー『生田斗真 挑む』がNetflixにて配信される。


2021年に生田は、高校の同級生であり、親友の歌舞伎俳優・尾上松也が主宰する歌舞伎自主公演シリーズの最終公演『「挑む」Vol.10 〜完〜』に特別出演。ドキュメンタリーでは、学生時代に「いつか2人で同じ舞台に立つ」と誓い合った約束をついに果たした2人の友情と覚悟、そして初めての舞台に“挑む”生田の戸惑いや、懸命に稽古に向かう真摯な姿をたどる。

ドキュメンタリーの公開を受け、歌舞伎への思いや尾上との青春時代を振り返ってもらったほか、俳優業を続ける活力の源を生田に聞いた。

生田斗真と歌舞伎


──尾上松也さんとは学生時代に「いつか2人で同じ舞台に立つ」と夢を語り合っていたそうですが、もともと生田さんにとって歌舞伎は身近に感じるものだったのですか?


そうですね。松也くんもそうですし、一つ上の先輩に中村七之助くんがいたので、学生の頃からよく歌舞伎座や(新橋)演舞場に通っていたんです。一般的な高校生と比べると歌舞伎は身近だったのかなとは思いますが、自分にとって歌舞伎は完全に“観るもの”。自分がやるなんてまったく思っていなかったし、歌舞伎の舞台に立つなんて微塵も思ってはいませんでした。


自分と同じように先生に怒られたり、自分と同じようにテスト勉強をしたりしているクラスメイトが「自分には絶対にできないようなこと」をやっているというのが、すごく不思議というか、かっこいいなとずっと思っていたんです。それで「俺もやってみたいんだけど、踊りを教えてくれない?」と言って、日舞(日本舞踊)の先生を紹介していただいたこともありました。それが今回の『挑む』で演出をしていただいた(尾上)菊之丞先生なんですけど。そういうこともあって、20代の頃から踊りの稽古はずっとしていたんですけど、やっぱり「いつか歌舞伎の舞台に立つかもしれないから」とは何も思っていなかった。ただ単純に「踊ってみたい」という思いでした。


──では、歌舞伎出演については松也さんからのアプローチが熱心にあった、ということなのでしょうか。


彼も、その時点で明確なビジョンがあったわけじゃなかったと思うんですよね。なんとなく、学生時代の青春の1ページというか、ちょっとした会話。「いつかやろうよ」「いいね」。本当にただそれだけ。「いいよ」と軽く返事はしたけど、どこかで「無理だろうな」「実現するわけないよな」と思っていました。だから、今回声を掛けてもらった時にはいろいろ蘇りましたよ。教室の片隅で話したこととか。グッとくるものがありましたね。


──当時の生田さんとしては、夢といってもそこまで実感を持っていたわけではなかったんですね。


少なくとも僕はそうでした。もしかしたら松也くんは本気で思っていたのかもしれないけど、僕には非現実的すぎて、目標にすらしていなかったです。本当に教室の片隅で交わした、約束とも言えないような何気ない会話でしたし。その時には想像もつかないくらいのことになりましたよね。舞台が実現しただけじゃなくて、Netflixの皆さんにご協力いただいてドキュメンタリーまで撮ってもらって、190ヶ国以上の国と地域で放送されて何十の言語に翻訳されて。「えぇ?」って、ちょっと考えられないくらいです。

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