しかし、両親を香音人に殺してもらってから赤いものを見ると目に痛みが走るようになった下戸に、整が「それをずっと抱えていくんですか?子どもたちにもそうさせるんですか?それもまた虐待です」と言ってから変化が訪れる。
下戸の中の香音人は暗い表情になり回想する。過去に助けた子どもによる回想とも重なり、生前の香音人が登場。助けた子どもに会いに行くと、最初は穏やかだったが、助けた子どもたちが必ずしも幸せになっていないことを知ると顔が曇る。虐待家庭で育ったつらさに共感するが、「あんたの親はただの火事で死んだんだろ。殺したんじゃない。俺は殺した。殺していいって言った。俺が親を殺したんだ」と言われてしまう。
衝撃を受けた香音人の表情は、やはり抑えたものだったが、苦笑いをする下戸との表情との対比もあり、引き込まれてしまう悲しさがあった。菅田とは種類は違うものの、穏やかな人物の心の機微を巧みに演じる早乙女の演技に心を揺さぶられた。
香音人が「子どもたちを助けたと思ってた。みんな幸せになってると思ってた」と悲しそうに話すと、下戸は「助けたんですよ。俺は幸せです。幸せなんです香音人さん」と主張。香音人が「俺は天使をやめる」というと下戸が「悲しんでる子どもがいるんです。助けましょうよ。殺される前にひどい親たちを燃やさないと!」と叫ぶが、整から見れば下戸の一人二役の芝居を見ているようなもの。下戸と香音人のやりとりは、下戸の罪悪感との葛藤でもあり、そう考えると下戸の悲しみも伝わってくる。
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