伊藤と言えば、9歳から子役として活動し、女優歴は約20年にも及ぶ。学園ものなどでは、やや個性の強い役柄、映画ではドラスティックなキャラクターを演じることも多いが、たとえ嫌な役をやっていても「その気持ち分かるよ!」と共感させられるキャラクターを構築する。
伊藤を広く世に知らしめた連続テレビ小説『ひよっこ』(2017年/NHK)で演じた米屋の娘・安部米子(さおり)も、ややもすれば意地悪な女の子に見えてしまうところを、伊藤ならではの愛嬌と「好きになったら、そういう行動しちゃうよね」と共感させる芝居で、多くの視聴者を感情移入させるキャラクターに仕上げた。
その後も、ドラマ『いつまでも白い羽根』(2018年/東海テレビ・フジテレビ)では真面目でまっすぐな看護学生という正統派キャラを演じ「応援したい」という気持ちにさせたかと思えば、ドラマ『獣になれない私たち』(2018年/日本テレビ)では、新垣結衣演じる主人公・晶に迷惑ばかりかける同僚・松任谷夢子を演じたが、こちらもはた迷惑なことばかりしているが「しょうがないな」と憎めないキャラを好演。
とにかくどんなキャラクターでも伊藤が演じると「こういう子いるよな」とリアリティを持たせ、視聴者と作品の距離を縮めてくれる。2019年に放送された『これは経費で落ちません!』で演じた経理部社員・佐々木真夕も、多部未華子扮する主人公・森若沙名子が完璧なまでのプロフェッショナルな仕事ぶりを見せるなか、真夕のヘタレ的な存在によって、視聴者は経理部というややお堅い部署を舞台にした物語を、柔らかく受け入れることができた。
原作から離れている風呂光が今後、どのような展開で物語に絡んでくるかは予想できない。しかし伊藤の共感力によって、風呂光における“原作との違い”は、さらに物語に深みを与えてくれるだろう。
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文:磯部正和
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