菊池風磨が緩急で魅せるハマり役 『ファイトソング』にもたらすバランス

TV 公開日:2022/01/25 17
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第2話では、花枝と芦田が急接近するのが面白くない慎吾。それでも、ずっと泣かなかった花枝が、芦田の前で泣いたと聞き、芦田に感謝を述べる。自分の花枝への恋心よりも、花枝の心をいちばんに思って。ずっと見てきた花枝の歴史を知っている慎吾だからこその言葉。それは、裏を返すと“芦田の存在がやはり特別”だということを証明しているようでもあった。


キラキラまぶしい笑顔の花枝に芦田を紹介され、「何も言えねぇじゃねぇかよ」と笑うしかなかった切ない横顔は、「100点満点の表情」「切なすぎるけど最高の当て馬」「あんなに繊細な表情できるの…」「どんどんマジな顔が見えてくるの刺さる」と反響を呼んだ。菊池自身が「めちゃくちゃいい役」と語るように、慎吾のキャラクター自体の魅力と菊池の演技の魅力があわさって、応援したくなるキャラクターが形作られ、これからさらにどんな表情を見せてくれるのかと期待がふくらんでいく。慎吾は花枝に自分の気持ちをまっすぐ伝える時がくるのか…想像すると心がギュッとなる。


それともう一つ、藤原さくらが演じる幼馴染・凛とのシーンがとてもいい。思ったことをズバズバいう性格の凛だが、実はずっと慎吾のことが好き。第2話、理容師である凛が慎吾の顔そりをするシーンは、2人の空気にほっこり。芦田を偵察にいった慎吾が「いい奴っぽかった」と話すと、凛は「へぇ」とだけ言ってやさしい顔。ふと目が合い、凛はあわてて慎吾の顔をグイっと動かして「邪魔とか妨害ってさ、恋の後押しするだけだって知ってた?」とごもっともなアドバイス。「え!!マジで!」と焦る慎吾に「バーカ!」と言った後の凛の顔は、とびきり可愛かった。どことなく雰囲気が似ている2人のシーンは、楽しいけれど切なくて、慎吾の恋も凛の恋も応援したくなってしまう。恋の矢印だらけなのに、総じてほっこりするキャラクターの良さがドラマ全体を包む。


慎吾として緩急を表現しながら、ドラマ全体のバランスをとる菊池の存在。放送前「僕が火曜よる10時枠に呼んでいただけると思ったことがなかった」と出演オファーへの驚きをコメントしていたが、火曜ドラマでこのポジションは、恋が報われる報われないに関わらず人気を押し上げてくれるはず。芦田を演じる間宮祥太朗も、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』で恋に破れたものの、その人気は回を追うごとに高まりを見せた。本作の制作発表で「後半になって僕がこの現場になれてきたら、もう手つけられなくなっちゃうかも」とアドリブ量産宣言もしていた菊池が、最終回を迎えるころどんな芝居を見せてくれるのか楽しみだ。


今夜の第3話、片思いは大渋滞?花枝と芦田の“恋の取り組み”が気になる慎吾は2人の後を付けるようだが…。慎吾の切ない横顔や凛とのシーンにも注目しながら『ファイトソング』を楽しみたい。


文・長谷川裕桃


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