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菊池風磨が緩急で魅せるハマり役 『ファイトソング』にもたらすバランス

TV 公開日:2022/01/25 5
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放送中の火曜ドラマ『ファイトソング』(TBS系、毎週火曜よる10時)で、ヒロインを一途に想う幼馴染・慎吾役の菊池風磨Sexy Zone)が視聴者の心を惹きつけている。菊池が演じる慎吾の存在が、ドラマの一つの“バランス”をとっているように見える。



第1話が放送されると、「ハマり役すぎて優勝」「もろ菊池風磨」「代表作になりそう」などと、役へのハマり具合にSNS上は大いに沸いた。Twitterのトレンドには、「菊池風磨」というワードの他、「慎吾ちゃん」や「レッツダンス(慎吾の言ったセリフ)」などもランクインするなど、ドラマ名のトレンド1位に貢献し、盛り上げていることは間違いない。


ドラマは、事故で空手の夢破れ、前に進めない花枝(清原果耶)と、一発屋でクビ寸前のミュージシャン・芦田春樹(間宮祥太朗)が運命的な出会いをして、初回で芦田が花枝にまさかの「俺と付き合ってくれない?」。先週の第2話では、それぞれ切実な理由を持ちながら、期間限定で恋に“取り組む”ことを決めるという展開。


恋愛偏差値0の花枝と芦田の微妙な関係を、清原と間宮が絶妙の間でおかしく可愛らしく見せていて、推したい2人になっていく。菊池が演じる慎吾は、“当て馬”的ポジションなのだろうと想像してしまうが、第2話にしてすでに出る幕なし?な雰囲気さえ漂う。それでも、報われて欲しいと願う視聴者は多いようだ。


慎吾は「見た目はチャラいが、優しくて明るく天真爛漫な性格」。菊池のルックス、場を和ませる空気、愛嬌をもってすればお手の物といったところだろうか。のびのびと演じていることは画面からも伝わってきて、時折はさまれるゴキゲンな鼻歌(熱唱?)や台詞回しに、つい顔がほころんでしまう。TBS火曜10時枠のドラマは、これまでの流れからすると明るくポップな雰囲気を期待している視聴者が多いだろう。そんな中、この『ファイトソング』はヒロイン・花枝が聴神経腫瘍で耳が聞こえなくなるかもしれない、という苦しみを背負っている。さらに、花枝が運命的に出会う芦田は“負のオーラ”をまとい、屋上から飛び降りようとすらしている。花枝と芦田の会話は、探り探りでテンポはおおむねゆったり。特に芦田は不器用なタイプで話し方もたどたどしい。この二人の会話はその何とも言えない間や表情に魅力があると思う。一方、花枝と慎吾の会話は、遠慮のない掛け合いが楽しい。菊地が仕掛けるアドリブに清原が「楽しくなって応えてしまう」という空気感も反映されているのだろう。底抜けに明るい慎吾を筆頭に、児童養護施設の面々の明るさがドラマの雰囲気をぐっと明るくし、会話のテンポを生み出している。


初回は、とびきりの明るさと花枝を想う優しいまなざし、でも叱るところはまっすぐに叱るという人間力も見せた。仕事をちゃんとやっていなかったと明かした花枝に、「俺命懸けでやってるし、魂削ってやってんだよ。そういうのムカつくわ。ふざけんな。最低だおまえ」。いつも陽気な慎吾が見せるマジな顔。慎吾のセリフは真っすぐに響く。その後、花枝が「うまく言えないけど、わかんないんだ」と返すと、「何が?」と声色が変わる。その響きには人に寄り添う愛情がたっぷり詰まって感じられた。


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