『ファイトソング』清原果耶&間宮祥太朗 絶妙な空気に泣き笑い、注目したいメロディー

TV 公開日:2022/01/18 17
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先週11日にスタートしたドラマ『ファイトソング』(TBS系、毎週火曜よる10時~)。初回はTwitterトレンド1位を獲得し、関連ワードも多数トレンド入り。好スタートを切ったといえよう。火曜ドラマのキラキラ感がありながらも、火曜ドラマらしからぬシリアスな面も見えた第1話。キャストの魅力と、丁寧に描かれた物語が合わさって、今後への期待をふくらませてくれた。そしてタイトル通り、“音楽”に注目したくなる初回だった。今後の注目点を探りながら、第2話を前にじっくり振り返っておきたい。



本作は、夢破れたスポ根ヒロイン・木皿花枝(清原果耶)、一発屋のミュージシャン・芦田春樹(間宮祥太朗)、一途に花枝を想い続けている幼馴染・夏川慎吾(菊池風磨)という不器用な3人のじれったくて切ない、恋と成長の物語。(※以下、第1話ネタバレあり)


ドラマ冒頭、芦田(間宮)は曲作りをしているが、たよりないサウンドが響き、煮詰まって屋上で身を乗り出す。そこにランニングの息遣いと足音。花枝(清原)の姿とともに、ピアノの音がゆらゆらとループする。この旋律はオープニングのタイトルロゴで、5つの音符が奏でているメロディーだ。ちょっと神秘的なこの音階は、この後もキーとなる局面で流れて来そうな予感がする。


高校生の花枝は空手の全国大会に出場。iPodのイヤホンを装着。唯一入っているのはSPARKの『スタートライン』という楽曲。エレキギターで始まるバンドサウンドがドラマ全体を包み、集中力を高める花枝の横顔、そして生い立ちが映像で伝えられていった。


幼少期、児童養護施設に花枝を迎える慎吾と凛の優しい顔。道場の外で、見よう見まねで空手の練習する花枝。「君よ強くなれ!」と看板に書かれた高田空手道場からは、高田延彦が「入ってこいや」。空手の推薦入学が決まり花枝をぎゅうぎゅう抱きしめてかわいがる施設長の直美(稲森いずみ)。ほっこりする笑いを挟みながら、ハイライトで流れていく。ポップな火曜ドラマの始まりだ!…と思ったら、次にヒロインに起こったことは、事故だった。「え?せっかく優勝したのに、私の人生これで終わり?」。


一方、芦田は曲作りが思うようにいかず当たり散らす。メトロノームのカウントだけが虚しく響いた。今度こそ飛び降りようとしたが足がすくみ、息も上がる。そこに救急車のサイレン。事故で血を流し道路に横たわるヒロインと、死のうとして死ねない男。ドラマは、すぐ歌い出しちゃう陽気な慎吾(菊池)を筆頭に明るくポップな雰囲気だが、シリアスな事実(ここではまだ序の口)が横たわる。


「運命の出会い」なんてよく言うけれど、花枝と芦田の出会いは“運命的”だ。そう感じさせてくれたのは、丁寧な描写と珠玉のセリフ、そしてキャストの演技の賜物だと感じた。


グータラな毎日を送る花枝(清原果耶)は、「この人もう終わってる」と言われても、「あっは、チーン終了」と自嘲気味にもりもりごはんを食べる。「いつまでそうやってうだうだうだうだうだうだ…!」「何かあるんじゃない?」直美にそう尋ねられたとき、ノイズ音とともにiPodの映像が差し込まれた。慎吾が営むハウスクリーニング店でバイトすることになっても、ボーっとしてミスをしてしまう。「どうしたらいいかわかんない。力が出ないんだ。進めないんだよ、どこにも」。


芦田(間宮祥太朗)の方は、マネージャーの弓子(栗山千明)から「いつまでやってんのぐだぐだぐだぐだ…」。新曲完成の期限は二か月。おまけに「空っぽなんだよ、人として」とまで言われてしまう。クリーニング屋のちらしにある「運気が上がる」という言葉を頼りたくなるほど、追い込まれているのだ。風が吹き、チラシが芦田の足元に舞い落ちたとき、あのピアノの音階が鳴っていた。


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