屋台で1杯のラーメンを食べたことから始まった2人の逆転劇は、あの日と同じように肩を並べてラーメンをすすることでエンドマークが打たれた。『SUPER RICH』最終回は、波乱の大航海の末に辿り着いた楽園のような結末だった。
※以下最終話、一部ネタバレあり
前回のラストで聡美(松嶋菜々子)に寝返ったかと思わせた空(町田啓太)だったが、それはフェイントで、実はスリースターブックスを守るためのスパイだった。ということで“黒い町田啓太”は秒で終了。空は最後の最後までとってもいい人だった。
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では、誰が野田(山口勝平)に関する極秘情報を外部に漏らしたのか。他に裏切り者がいるかもしれないと匂わせつつ、それもなし。逆境を共に乗り越えたスリースターブックスは固い絆で結ばれていた。
この“人の絆”こそが、『SUPER RICH』が最終回で描いたもの。聡美のTOBに対抗するべく、衛(江口のりこ)は新会社を設立。聡美の狙いだった人気作家たちはこぞって契約を結び直し、衛の立ち上げた新会社で作品を発表し続ける道を選んだ。
「会社なんて単なる箱だよ。僕はそこにいる人が大事だと思っている」
野田のこの台詞が、すべてだろう。どこで働くかではなく、誰と働くか。有名企業で働くことこそがステータスだと考えていたリリカ(志田未来)が、スリースターブックスで働くことによって自分をちょっと好きになれたように、企業規模や資金力では測れないものがある。会社はお金で買えるけど、人の絆は買収できない。『SUPER RICH』らしい最終回と言えば最終回だった。