『恋です!』寄り添う優しさ、ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)の笑顔を見ていたい

TV 公開日:2021/12/08 21
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水曜ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系)。勝ち気だけど恋に臆病な盲学校生ユキコ(杉咲花)と、喧嘩早いけど根はまっすぐなヤンキー森生(杉野遥亮)、運命の出会いをした2人の恋の行方を描く本作は、毎話描かれる小さな一歩に勇気をもらえる作品。ドラマの中には、ささやかでもとても尊い瞬間が散りばめられている。ドラマは佳境。第2章の始まりとなった第7話でとことん「夢」にこだわったストーリーが展開されてから、以降それぞれが夢に向かう姿を“優しく”届けている。



「夢」と聞くと、将来の職業とか志とか、ちょっと遠くて大きなものを思い浮かべてしまいそうになる。夢を抱くこと自体にハードルを感じることもあるだろう。しかし、そのハードルを森生はさらっと下げてくれる。「夢なんて言うだけタダっすから」。ユキコが最初に口にした夢は「顔が見たい。黒川の顔」。ユキコにとっては「無理に決まってる」願い。森生はユキコの手を自分の顔へやり、ホクロの場所を教える。でもユキコにはどうしてもよく見えない。


その会話をそっと聞いているユキコの父・誠二(岸谷五朗)。後日、誠二は森生の大きな写真を用意してユキコの夢を叶え、脳に直接映像を送るという夢の話をする。「そんなの無理なんじゃない?」ユキコがそう言っても、「お父さんの子供のころなんてテレビ電話もSF映画の話だったんだ」と、現実になる可能性は0じゃないと話す。第7話でユキコが持ったのは「将来に夢を持ちたい」という夢。見えなくなってから将来のことをあんまり考えたことがなかったユキコの一歩は、ささやかかもしれないけれど、前を向いた大きな一歩だった。


そして先週の第8話で、ユキコはまた一歩前へ進む。クリスマスマーケットに出すフードを考えるシーン。森生と緋山の対決を楽しく見せながら、食にたずさわる仕事がしたいというユキコの夢のかけらがふくらむ。


ユキコたちが作ったナポリタンドッグを「おいしい!」と食べる子供を見て、嬉しそうに「ありがとう」とほほ笑むユキコ。それを見て優しい眼差しでほほ笑む森生。「新商品会議にユキコちゃん出てよ~。」と店長の誘い。「はい!」と答えるユキコを見て、また嬉しそうに笑う森生。ユキコが嬉しいと森生も嬉しい(二人が嬉しいと視聴者も嬉しい)。森生はまた自然とユキコの世界を広げていく。「本当は、美味しいもの作ったり、メニュー考えたりする仕事ができたら良かったんだけどね…」「え、やればいいじゃないですか、好きなこと」。ユキコが自分で閉じていた世界から連れ出してくれる。「私も好きな事やりたいって思っていいよね」そう思えたユキコには森生の全力応援がついている。ドラマ『恋です!』で感じる“優しさ”は、登場人物たちの人としての優しさ・思いやりも大きいが、夢への寄り添い方もまた優しいのだ。


第9話、2人の前に突然拓かれる別々の道。


夢の途中、うまくいかないこともある。改めて難しさを実感することだってある。気持ちが逆戻りすることもある。思わぬことも起きるかもしれない。


それでも、「ユキコさんといろんなとこ行きたい」「私も行きたい」森生とユキコが一緒に持った夢がどうか叶いますように。今まで描かれてきた“優しい”描かれ方を信じて、そう願わずにはいられない。



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