『SUPER RICH』赤楚衛二&町田啓太 “一途な愛”の明暗が切なく愛おしい

TV 公開日:2021/11/19 73
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今回は、江口のりこのうまさが光る回でもあった。基本的にぶっきらぼうで表情に乏しく見える衛だけど、その中で繊細に気持ちを表現している。今回で言えば、衛に謝ってくださいと大河(田山涼成)に迫る優を見つめるシーン。その表情に、あたたかいものが湧き上がっているのがはっきりと感じられて、そのあとに続く告白シーンに説得力を持たせていた。それでいて、優にプロポーズをされて、「そう来たか」と頭を抱えるリアクションはまったく恋愛ドラマのヒロインっぽくなくて、江口のりこらしい味が出ている。


次回は優が衛にほっぺにチュウとかしてたけど、いきなりラブラブすぎじゃない!?あの白無垢は、完全に『ロングバケーション』のオマージュだろう。なぜ衛は白無垢姿で街を走り回っていたのか。今回のさらに上を行く急展開が待っていそうだ。


そんな幸せいっぱいな2人とは対照的に、大人のせつなさをたっぷり見せてくれたのが、町田啓太だ。衛と優の間に立ち入れないものを感じた空は、自ら身を引くことを決めた。自分が抱きしめたときは、衛はすぐに離れようとした。でも、優に抱きしめられたときはそのまま受け入れていた。「痛いの痛いの飛んでけ」とおまじないを唱える優に、心がほどけたみたいに笑っていた。


それを見て、わかったのだろう。優を見ている視線と、自分を見ている視線は、違うことを。その痛みを抱えたまま、空は言う。


「それでも、目指していいですか。衛さんのそばで、いちばん衛さんの役に立つ人間を目指していいですか」


町田啓太の瞳は、まっすぐだ。だから、気持ちがまっすぐに届く。なんだか自分が言われているみたいに、胸が引き裂かれる。その声は低くて、穏やかで、こんなときでも理知的に振る舞おうとしている空がいとおしい。でも、一度だけ、「きっと俺にしかできないことがあるって、そう思いたいんです」と言うときだけ、少しひっくり返ったように揺れる。そこに、誠実さでコーティングした空の綻びが見えて、つい空に感情移入してしまう。


空というポジションに町田啓太を配したことで、このドラマ全体がぎゅっと引き締まった。そう感じさせてくれる良質なシーンだった。


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