公式ホームページにある通り、 “スーパーリッチ” =幸せのカタチという意味らしい。財産も名誉も失った衛(江口のりこ)。その再出発の第一歩が描かれた『SUPER RICH』第3話。まずここで幸せになるための一つめの条件が提示された。
※以下第3話、一部ネタバレあり
それが、“やりたくないことはやらない”ということ。資金繰りに頭を悩ませるスリースターブックスのもとへ、投資家の飯田(飯田基祐)が現れる。飯田は、スリースターブックスに5000万円の投資をしたいと言う。ただし、条件は娘の漫画を掲載すること。しかし、娘の漫画は素人目に見ても技術もセンスもない。挙げ句の果てに本人に漫画への情熱すらない。
投資家の提案を飲めば、会社は生き延びられる。だけど、それは本を愛する者としてのプライドを売り渡すことを意味する。社員の間で意見が分かれる中、衛がとった選択は、飯田の提案を断ることだった。
「せっかくゼロになったんやから、やりたくないことはやらん」
この台詞こそが、今回のメインメッセージだろう。実際にそう言い切れる人は少ない。特に大人になればなるほど、やりたくないことをやらなきゃいけない場面は増える一方だ。ある意味、意に沿わぬ仕事をすることは、やりたくないことをやる時間を売り払い、その対価として報酬を得ているとも言える。それが生活というものだろう。
でも、そこを『SUPER RICH』は問いかける。本当にそれって幸せなの、と。
もしかしたらこのドラマはこんなふうに、名誉も財産も失った衛が、ゼロになったからこそ気づいた本当の幸せを、毎回描いていくのかもしれない。そして、そのたびに私たちは幸せとは何かを考えていく。