おそらくだけど、『アバランチ』は勧善懲悪型の痛快エンターテインメントではない。この法治国家で、法では裁けない悪を、不法なかたちで制裁する「アバランチ」。その功罪と、「雪崩」に巻き込まれて過熱する大衆の狂躁まで踏み込んで迫っていく。そんなドラマになるんじゃないか、と第1話を観て思った。
メイン監督は、藤井道人。『新聞記者』でこの国の闇を白日の下に晒し、『ヤクザと家族 The Family』で衰退する裏社会の哀愁を描いた藤井監督らしい、鋭いメッセージとドライなタッチ、そしてマットな映像美を堪能できる第1話だった。終盤、六車の悪事が暴かれる場面は、ドラマの公式YouTubeチャンネルと連動。今、テレビの中で繰り広げられている出来事が、手元のスマホでリアルタイム中継されるという、映画館ではできない、スマホ片手に観ることが当たり前になりつつあるテレビの脆弱さを逆手に取った演出で、視聴者を『アバランチ』の世界の住人に変えた。
キャスティングは、適材適所の一言。きっと多くの人が、こんな綾野剛を見たかったと思ったはず。飄々として掴みどころがなく、ニタニタと笑いながら敵を蹴散らす強さを持ち、正義の番人でありながらクレイジー。「雪崩」が発生するのは、均衡が崩れるから。ならばこの世界の均衡を破るのは、彼なんだろう。スイッチを間違えた瞬間、彼こそが爆心地になる。そんな狂気と危うさを持ったキャラクターに、1時間、ゾクゾクさせられっぱなしだった。
正義感は厚いがヘタレな若手刑事の福士蒼汰、キュートで目が笑っていない天才ハッカーの千葉雄大、格闘ゲームに出てきそうな元コヨーテの高橋メアリージュン、いかにも元所轄刑事らしい田中要次、そして冷たい表情の裏に復讐心を秘めた木村佳乃。腹黒さが全開の渡部篤郎含め、全員が十八番の役どころ。この隙のないキャスティングに、今回から新たに月曜22時枠に移動したカンテレチームの本気を見た。
これから月曜22時は、他のどの枠でもつくれないエッジーな作品を世に放っていく。そんな宣戦布告というべきドラマとなっている。
ちなみに「アバランチ」は「雪崩」の他に、「圧倒する」といった意味を持つ。これからしばらくの間、月曜22時は『アバランチ』に圧倒される夜となりそうだ。
文:横川良明
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