綾野剛の“狂気”が世界を熱狂させる、新ダークヒーロー『アバランチ』誕生

TV 公開日:2021/10/19 31
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こういうドラマが観たいと思っていた。震える興奮に、一瞬たりとも画面から目が離せない。そんなドラマが誕生した。


※以下第1話、一部ネタバレあり


「アバランチ」――聞き覚えのないその単語の意味は、「雪崩」。斜面に積もった雪が崩れ落ち、あらゆるものを飲み尽くすように、その圧倒的な情報量に、予測不可の展開に、なす術もなく飲み込まれる。10月18日からスタートした新ドラマ『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)はその名の通り、制御不能な「雪崩」のようなドラマだ。


大規模都市開発プロジェクトのリーダーを務めていた風間道明(安井順平)が突然失踪した。代わって新たに計画の実行役に名乗り出たのが、都市開発企画会社・シックスランドホールディングスの代表・六車泰次郎(板尾創路)。はたしてこのスムーズすぎる交代劇の裏には何が隠されているのか。風間は今も生きているのか。常識外れのアウトロー集団・「アバランチ」が動き出す。


シンプルに言うと、必殺仕事人だ。泣き寝入りするしかない被害者たちに代わって、のさばる悪を討ち、恨みを晴らす闇稼業。古今東西、私たちはこういうドラマが好きなのだ。それはなぜか。


「それは警察の仕事です。あなたたちは警察官じゃありませんよね」

「あなたたちのやっていることは違法行為です。見逃すことはできません」


「アバランチ」の存在を知った警察官・西城英輔(福士蒼汰)はそう言った。けれど、風間が拉致される瞬間が防犯カメラにしっかり記録されていたにもかかわらず、警察はその事実を隠蔽していた。西城の正論が、いかに空虚なものかを突きつけられる。


現実もそうだ。この世には、法や正義だけでは裁けない悪がある。国のトップに汚職疑惑が浮上し、その真相究明が叫ばれながらも、うやむやのまま時間経過という名の蓋がされる。そんなドラマみたいな出来事を目の当たりにし、それでもこの国は何も変わらないという無力感に、多くの人たちが辟易としている。


だからこそ、期待するのだろう。「アバランチ」のようなダークヒーローの登場を。権力という名の巨城に身を隠し、私利私欲という名のワインに酔う悪を打ちのめしてくれるのを。


六車の悪事は、「アバランチ」によって暴かれた。全世界に生配信するという方法によって。きっとこの配信を目撃した者たちはほのかに熱狂するだろう、まるで自分たちが正義の執行人になったように。


だが思う。その正義感ははたして正しいものなのか、と。「アバランチ」のやっていることは「私的制裁」と何が違うのか。インターネット上に無断で撮影した動画を晒し、裁きの鉄槌をくだしている気分になっている人たちと、はたして何が違うのか。


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