『ただ離婚してないだけ』最終回で予想外のタイトル回収、北山宏光らの快演に「泣いた」

TV 公開日:2021/10/04 21
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「ただ離婚してないだけ…ってそーゆー事なのか」「涙腺崩壊したんだけど私だけ???」「まさか泣くとは…」意外な結末にSNSでも大きな反響があった。



不倫という過ちが殺人へと発展し、毎回身も凍る恐怖が刻まれてきたドラマホリック!『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京 水曜深夜0時)。先の見えないホラー以上のリアルな現実の怖さに目を背けたくなった人も多かった作品。特に前回のラストでは仁科(杉本哲太)におどされ絶望の淵に立たされた正隆(北山宏光)に「殺そう」と言った雪映(中村ゆり)には凄みまで見て取れた。最終回では、さらなる最悪の事態を確信した人もいたに違いない。正隆も雪映も殺される未来、雪映とおなかの赤ちゃんが殺され、すべてを奪われた正隆の未来……だが、視聴者の思惑をはずれた意外な終着点となった。


11話の間、ずっと悪夢を見せられ続けてきたが、今までの最悪の展開は、この最終回を見せるためにあったのだろうと思える。振り返れば、正隆のクズっぷりが目立った初回。そして正隆に裏切られ、次第に壊れていった萌。おなかの赤ちゃんを守るため、歪な決意を固めた雪映。監禁された佐野。この言葉だけだと、とんでもない展開の単なる不倫サスペンスのように見える。だが、それを許さなかったのが、北山宏光をはじめとした出演陣の名演技だ。自分の不倫から始まった殺人、死体遺棄、監禁まで、わずかな表情で正隆の感情を紡ぎだした北山。赤ちゃんを中絶し、闇堕ちした萌の激情をホラー作品とまで評されるまで演じ切った萩原みのり。また刻々と変わる状況に追い込まれ、強い意思で立ち向かった雪映役の中村ゆり。そして監禁され、やせ細り、おむつ姿で狂気に染まった佐野役の深水元基。彼らの快演があったからこそ、魅力あふれる作品となり、多くの人が見続ける結果になったといえるだろう。(以下、最終話ネタバレあり)


そんな誰もの予想を裏切った最終話。仁科を殺しに行く直前、2人は食事をする。これまでもたびたびあった正隆と雪映の食事シーンだが、正隆は雪映のきゅうりの漬物をゆっくり噛みしめながら「おいしい」とつぶやく。「おいしいよ。ありがと」と微笑む正隆に、うれしそうにする雪映は普通の夫婦らしい姿。とてもこれから人殺しをしに行こうとする2人には見えない。


まもなく1人で死地に向かう正隆は、車で待つ雪映にそっとキスをする。「信じろ。全部うまくいく」と雪映に語りかけた正隆は、仁科のもとへ向かった。実際、何もなければきっと正隆は仁科と壮絶な殺し合いを繰り広げていたかもしれない。誰もがそう思ったろう。映像でも仁科に呼び出された場所へ行く直前、目をつぶってまっすぐ何かを見つめる正隆の表情が映し出されていた。北山が演じてきた中でも、もっとも強い意思を持った目をしているように思える。だが、その目が見ていたのは殺し合いではなく、雪映と子どもに向けた幸せへの道だった。


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