キスマイ北山宏光、人懐っこい笑顔からの落差…振り幅と繊細さ光る『ただリコ』の名演

TV 公開日:2021/09/25 17
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ドラマホリック!『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京 水曜深夜0時)の第11話が放送された。SNSでは「俳優陣の目の演技が特に良い。目を見るだけで感情が伝わってくる」「北山くんの表情の移り変わりに目が釘付けになる」「辛過ぎてまともに息してなかった」「このドラマ、何が正解か分からない」など、役者陣の演技への称賛、トンデモ展開への反響、さらには佐野(深水元基)に同情する声、仁科(杉本哲太)の舎弟・藪(山口祥行)に対する投稿など、さまざまな反響が上がっている。


監禁した佐野の脱出、仁科の暗躍、創甫(北川拓実)の襲撃と物語が大きく動くこととなった第11話。正隆(北山宏光)と雪映(中村ゆり)にとっては、まさに“天国と地獄”が待ちかねていた。正隆を演じる北山宏光も覚悟、清々しさ、解放、動揺、怯え、絶望とめまぐるしく変わる感情の見せ方が秀逸だったことが見て取れる。



まずは監禁していた佐野が逃亡したことにより、「もう、死ぬか」と雪映に語りかけた正隆。目をつぶったまま、表情は何もない。しかし、雪映が「私、決めたの。3人で生きていくって」という言葉を受け、「生きよう。この先何が待っていても」と雪映を見つめる正隆の目には今までにない覚悟が現れていた。あっという間の冒頭だったが、薄暗い朝焼けの室内で北山の目力が印象的である。


車に荷物を積み込み、家を出た正隆と雪映はとても逃亡を図ったとは思えないほど、美しく映っている。殺人、死体遺棄、監禁などいくつもの罪を犯してきたとは思えないほど幸せそうだ。さんさんと陽が降り注ぐ波打ち際で歩きながら「今が一番幸せ」という雪映と正隆は、普通のラブストーリーを見ているように感じさせる。優しい笑顔と人懐っこい言葉をつづる北山のキュンキュンするドラマが見たくなってしまうほど。しかし、「殺人共同生活144日目」というテロップが嫌でも2人の暗鬱な現実を思い起こさせる。そしていかにも地方らしい食堂で笑いながら食事をするイチャラブシーン。これだよ、こういうドラマが見たかったんだよ! と思った人も多かったに違いない。それほど北山の表情が普通なのだ。


佐野の死を知り、家に戻ってきた2人。「また戻ってこられるなんて思わなかった」という雪映に対し、家から外を眺める北山はまたも無表情といってよい。ただ少し上を向いた目だけが、もう怯える必要はない、以前の生活に戻れるんだ、今度こそ雪映を幸せにしてやるんだ、と言っているように見える。もしかしたらメイクの力かもしれない、ライティング、カメラマンの腕かもしれない。それでも何かから解放された険のない目をする北山の演技なしに、この清々しさは感じられなかったろう。


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