北山宏光主演『ただ離婚してないだけ』展開エグいけど観てしまう、心掴まれる光と闇

TV 公開日:2021/07/28 18
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そんな正隆の闇に第3話で光を照らしたのは、妻の雪映。「これ以上自暴自棄にならないでよ。過去は忘れて、もっと自分を大切にして」。


教師である雪映はこどもたちに学校で笑顔を向け、まわりの教師から幸せを羨む言葉が飛んでくる。しかし、合唱コンクールの課題曲を子供たちが相談に来ている時、雪映が見ているのは不倫旅行で夫が引き出した口座の額。外からは、夫婦の本当の姿なんて全く見えていない。正隆の旅行の洗濯物を気持ち悪そうに洗濯機に放り込み、必死でその手を洗い、耐えきれず泣き崩れる。かけられた言葉とのほど遠さに、雪映の悲痛な思いが際立つ。想像の中では、暖かい光の中で正隆との子供の笑い声が響き、笑顔が輝いていても、パッと切り替わった目の前の現実は暗く、しんと静まりかえって、笑顔なんてどこにもなかった。


額縁のなかの絵のように収まった雪映と正隆の食卓シーン。光のトーンや空気の違いは、言葉の少ない静かなシーンで感情が動いているのを感じる。第3話、ご飯を用意して正隆を待つ雪映だがついに部屋は真っ暗。それでも、「こどもが生まれてたら過去じゃなくて、これからを見てくれるかもって思ってた。でも私のせいでダメだった」「私は絶対にあなたを見捨てない。この先もずっと」正隆の孤独に寄り添い、二人の食卓のトーンが明るくなった。雪映は懐妊。嬉しさいっぱいで正隆に報告しようとしていたところに…


ピーンポーン。幸せは束の間だった。やってきた萌の目の下には真っ黒なクマ。第1話で正隆に「今、私幸せ」と太陽の光に包まれほほ笑んだ萌とは別人だ。正隆の子供を堕ろしたこともすべてぶちまけ、包丁を持って襲い掛かる。やがて夫婦の前には、人形のように動かなくなった萌と血の海が広がっていた。


1話、約40分。ハードな内容で怒涛の展開が続く『ただ離婚してないだけ』。最初に書いたように大雑把にストーリーを説明すると、正隆のエレベーターシーンや雪映の学校シーンはさほど大きなシーンではないのかもしれない。しかしそんな1シーンにも、視覚的、聴覚的こだわりを感じ、大事な心情が詰まっていると感じる。それが積み重なってドラマ全体の世界観が作られ、そこに棲むキャストの熱演に見入る。続きが観たくなる理由はそんなところにあるのではないだろうか。これでまだ3話。第4話は今夜0:10から放送される。


【第3話詳細】『ただ離婚してないだけ』怖すぎる展開にSNS騒然、北山宏光らの熱演に鳥肌


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