ついに最終回を迎えた『着飾る恋には理由があって』(TBS系、毎週火曜よる10時 ※以下ネタバレあり)。
陽人(丸山隆平)と羽瀬(中村アン)が結婚し、香子(夏川結衣)と礼史(生瀬勝久)は友達以上、家族未満の関係を続けることに。葉山(向井理)はトルコへ旅立ち、真柴(川口春奈)と駿(横浜流星)は今後も付き合っていく…のかと思いきや、ラスト5分で5年後が描かれ、2人が結婚し子供までいることが判明し、大団円を迎えた。
最終回で星野源の主題歌『不思議』をだれが背負うか注目が集まっていたが、2回流れるというイレギュラーな展開がSNSでも反響を呼んでいた。しかし、この最終回に主題歌が2回流れるという展開が、物語を予想できないものにさせたことは間違いない。ここではそれぞれが自分なりの幸せを見つけることができた理由を考えていきたい。
まずは一回目の主題歌が流れるまで。Instagramが炎上しダメージを受けて号泣する真柴を抱き寄せた葉山で終わった第9話だったが、最終回は葉山が真柴を励ますシーンから始まった。葉山の「俺だって沢山失敗してるよ。そのたびにまず顔をあげて今できることを考える」「ここから先を変える」――。そこから真柴は自分のできることを真剣に考えて岩切工房に手紙を書く。葉山は弱っている真柴を励ますだけで、アプローチすることはない。
むしろ真柴をどうやって元気にしようか考えて駿に相談したり、真柴を気遣って駿が店を出すために北海道に行くのか確かめたりと真柴のためを思っての行動しかしない。一方の駿は真柴と直接話すことができない。余裕がなくて真柴を助けてあげられない自分を反省する。
陽人と羽瀬は、絵をやめようとしている羽瀬に陽人がプロポーズしたせいで怒らせてしまう。陽人は自分が羽瀬を支えれば、羽瀬は絵を続けられると考えていたが、羽瀬にとってはやめられないことが辛いことだった。お互いの思いがすれ違う中、羽瀬は陽人に相談もせずに絵を諦めて普通に働こうとする。
そして、香子は別れた夫の礼史が入院したことを受けて、再び礼史とやり直すことを考えるも、ひとりでも十分に幸せだと気付いてしまうのだった。
それぞれが、第1話から背負ってきた夢や挫折、思いに向き合い結論を出そうとする。そして久しぶりに向き合った真柴と駿のシーンで一度目の主題歌が流れる。駿は北海道に行くと告げ、真柴は東京でバイヤーを目指すと話す。ここで、第1話と同じように真柴が駿の作ったカレーを食べて涙目になりながら「おいしい」と言う。第1話では片思いしている葉山が突然いなくなり落ち込む中、カレーを食べてなんとか前を向くことができたが、ここでは真柴は先行きの見えない不安から前を向こうとしたのかもしれない。そこで駿が真柴の手をつなぐも、第3話のキャンプ場のような恋の始まりを感じさせるものではなく、終わりを予感させるものだった。
しかし、このままでは終わらなかった。それぞれが相手の思いに気づいたことから、変化が生まれていく。