中村倫也主演『珈琲いかがでしょう』壮絶な過去の回収にゾクッ、何層も重なる味わい

TV 公開日:2021/05/23 69
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「とらモンは変わったね。ボクは、変わっちゃった。」

中村倫也が主演を務めるドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系、毎週月曜よる11:06~)は、ついに最終回を残すのみとなった。青山(中村倫也)のことが「大好きすぎて憎すぎてたまらない」ぼっちゃん(宮世琉弥)の言動にゾッとすると同時に、切ない気持ちにもなった第7話。


ぼっちゃん自身、「変わった」ではなく「変わっちゃった」と表現しているように、決して望んでいる姿ではない“黒くてドロドロしたものに捕まっちゃった”自分。ふと、第1話の「死にたがり珈琲」を思い出し、細かい伏線回収に気づかされた。




ぼっちゃんは子どもの頃、いじめられても「絶対に家の力なんて頼らない。自分の力でのし上がっていく」と強い志を持って逆上がりの練習をしていた。


鉄棒に腕だら~んの青山も、肝が据わっていると感じていた。父と一緒にご飯を食べる約束をしていても「仕事が忙しい」と一人広い食卓に残され、青山と笑顔で話す父を見て「僕にはそんな話、してくれたことない」と寂しさを感じる。「みんなが僕のことを好きじゃないことを夢の中の僕は知ってる」という悲しい夢を見て、「ひとりぼっちになるのがこわい」と孤独におびえる。


そんなぼっちゃんにとって、アニメに出てくるヒーロー・とらモンのように、ピンチには守ってくれる強い青山の「ずっとそばにいる」という約束は、どんなに大きかったことか。唯一の心のよりどころだったはずだ。しかし、すぐに青山は組をやめてしまう。


「珈琲に出会えた時、世界が変わった気がしました。」

第7話は、青山のこの言葉でスタートしている。生き甲斐のない底辺の生活から珈琲屋へ。たこ(光石研)との出会いを経て、“できっこない”と思っていたヤクザの組を辞めるという決断をした。ぼっちゃんからは組をやめたら「指切りの刑だぞ、僕と父さんの分2本。しかも右手だ」。それを聞いた青山は、なんとも言えない覚悟の表情を浮かべているように見えた。(こういう微妙で絶妙なニュアンスは中村倫也の演技が光る。)


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