『珈琲いかがでしょう』中村倫也の豹変に釘付け、ダークな過去が徐々に明らかに

TV 公開日:2021/04/26 23
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癒しと刺激。一見、相容れないような二つの感覚が、ドラマ『珈琲いかがでしょう』を観ているとなんだか同時に感じられる。



小沢健二のやわらかくも熱いオープニングテーマが、毎話違ったアレンジで届けられるドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系、毎週月曜よる11時6分から)。いつものように移動珈琲店「たこ珈琲」の開店準備をする青山(中村倫也)は穏やかな表情。ドリッパーにお湯を注げば、むくむくと珈琲豆がふくらみ、たちまちいい香りがしてきそうだ。湯気に包まれたような優しい空間。しかし、曲がフェードアウトすることはない。いつもストンと止まり、ストーリーが始まる。


先週第3話の1杯目「男子珈琲」では、いきなり筋肉体操をしている飯田(戸次重幸)の姿。すでに出オチ感すらあるコミカルさ。


しかし、“仕事もルックスも完璧なサラリーマン”“同僚にも慕われている”と思っていた飯田(戸次重幸)が、陰では「超勘違い」「筋肉つけてる暇があるならちゃんと仕事してほしい」などと言われているのを聞いてしまう。そして、ずっとどんくさいと思っていた同僚が自分より先に出世する。


「外見ばかり気にして中身が伴ってなかったのは俺の方だったんだな。」


青山は、“煮詰め過ぎた麦茶みたいな味”のする珈琲豆を飯田に飲ませる。単独で飲むと飲めたものではない。しかし他の豆とブレンドされることで味わい深くなる豆だった。


「それぞれがそれぞれに、自分らしさを持っているから、愛されるんだと思います。」


青山の珈琲と言葉がそっと飯田に寄り添った。飯田の妻は、香水ではなく“煮詰め過ぎた麦茶”みたいな加齢臭が良いのだと言った。


「君は?ブレンド?それともストレート?」と聞かれた青山。

閉口して一瞬で表情に立ち込める暗雲。そして、視線を落としたまま口角を上げた青山に何が過ったのか。


さらに、ぺい(磯村勇斗)の姿を見たときの青山の尋常ではない慌てよう。血相を変えてワゴンに身をひそめる。


気になる一瞬は突然訪れる。



二杯目「金魚珈琲」は滝藤賢一が演じるスナックのママ・アケミの美しさが話題となった。


迫力の画面4分割、凄まじい目力で中森明菜を歌い上げるママの姿は最高に楽しい。その一方で、「一緒にいるとこ見られたくない」と母親からのグサリと刺さる言葉。上っ面の記号的な見方をして、アケミに怪しげなサプリを勧めてくる同級生。内容はやはりディープ。


アケミの店のヘルプに入った青山は、前髪をあげた黒シャツのバーテンダー姿。


「僕、飲むとすぐ眠くなっちゃうんで」と可愛さも見せていたが、同級生が執拗にアケミに詰め寄った際、青山が豹変。寝ぐせのついた髪にとろんとした表情から、眉間にしわを寄せたこわ~~~いお顔へ。


第2話の「人を殺したことのある目」と言われたときよりも、さらに凄みを増している。


それでも、「あったかいですね、アケミさんの世界」と言い、アケミとのハグシーンはなんとも優しくじんわりくる。2人の演技に引き込まれる。


そんなアケミが気付いた青山の過去。「あ、あの子…」。

映っていたのは金髪ジャージ姿で暴力をふるう青山の姿。アケミにかけた言葉は「早く行け、ババァ」。言葉も状況も最悪だが、このとき青山はアケミの命を助けている。今まで見てきた青山のやわらかな物腰とはまるで違う残虐な背中、冷徹な目で言う「早く行け、ババァ」という乱暴な言葉に人情が含まれているのだ。ダークな過去と人情がつながる最たる言葉。痛々しいシーンだが、何度も観たくなる…そんなシーンだった。


少しずつ見えてきた青山の過去。第4話は…


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