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『MIU404』の余韻、綾野剛&星野源“一瞬の煌めき”を集めて見えたもの

TV 公開日:2020/09/11 2
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見えない敵・久住(菅田将暉)の正体は「わかんねーよ!くそぉお!!!!」。最後に大サビが流れる直前で陣馬はトラックにはねられ、サビは流れなかった。


「俺はおまえたちの物語にはならない」。

最終話の第11話で放たれた痛烈な言葉。久住にも何か悲しい生い立ちや過去があるのではないか…そんな想像をすること自体バッサリと切られた。久住のことは結局わからないまま。それでも伊吹と志摩は久住に言った。「生きて、俺達とここで苦しめ」「そういうこと」。最終話で最後に『感電』のサビが流れた瞬間、映っていたのは久住の横顔。「生きていりゃあ何回でも勝つチャンスがある!」「まあ間違えても、ここからか」伊吹や志摩のセリフを思いながら、改めてサビが流れた久住の横顔を見ると、もしかしたら久住が生きていること自体が一つの小さな希望なのでは…ふとそんな考えも心をよぎった。


生きていること。ひき逃げされ何日も目を覚まさなかった陣馬が、九ちゃん(岡田健史)の呼びかけで目を覚ます。陣馬の写真を見たときの、伊吹と志摩の表情が、何より生きていることの尊さを物語っていた。



MIU404』は、現実を生きるわたしたちに、エンターテイメントとしての面白さと、ドラマの中に現実の世界を投影させたメッセージを視聴者に自分のものとして受け取らせてくれた。エンタメとリアル、両方を同時に成り立たせるためには、心の琴線に触れるような魅力と、説得力の両方が必要だと思うが、それをやってのけたのが、最高の製作チームと最高のキャストだ。


脚本の野木氏はラジオで、もともと『MIU404』は「2019年の4月~2020年の4月のだいたい1年くらいを書く予定だった」と話し、もしドラマの時世が現実を追い越してしまうと、法改正などがあった場合おかしなことになるからと、過去時制にこだわったことを明かした。「(ドラマの設定が)2020年スタートだったら2020年なのにコロナがないことになっちゃってた」と、現実とは別の世界が平行して生まれなかったことに胸をなでおろしていた。「調べものもたくさんした」という細やかなこだわりと正しさがあったからこそ、“伊吹と志摩はこの世界のどこかに生きている”、そんな感覚を与えてくれたのだろう。また、製作側には「アンナチュラルで出た人は同じ役でしか出さない」というポリシーもあったそうだ。ドラマ『アンナチュラル』のキャラクターが、何人か同役で『MIU404』にサプライズ登場しファンは沸いたものだが、“別の役で誰も登場しなかった”という側面があったから、「(ドラマのキャラクターが)どっかで生きててほしい」という視聴者の夢を壊すことはなかった。こういった一つ一つの積み重ねは、製作陣の視聴者への愛情とも言い換えられるだろう。リアルにこだわって生まれる「エンタメ=人を楽しませるということ」。


そんな製作陣が生み出す、ドキっとするような社会の闇を反映しながらもとにかく面白いストーリーとエモい演出。そこに命を吹き込み、その役を生きた俳優たちの演技は、ゲストも含め圧巻だった。

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