『MIU404』の余韻、綾野剛&星野源“一瞬の煌めき”を集めて見えたもの

TV 公開日:2020/09/11 144
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まっさらな状態で作品を観て、何が起こるのかとワクワク、ゾクゾク。そう来たか!と驚き、何か心の奥の方で感情が揺さぶられている感覚を覚えながら、『感電』に掬われる。息をするのも忘れそうになるくらい痺れっぱなし。ニヤニヤしていることもあれば、涙が止まらないことも。終わればしばし放心。さらに2回、3回と観たときに、初見のインパクトとは別の思考や気付きが沸き上がり、またお腹がいっぱい。『MIU404』が見せる“一瞬の煌めき”は、なかなか噛み砕いて食べ尽くせそうもない。でも、噛みしめるのはとても幸せ。


綾野剛と星野源がW主演を務め、『アンナチュラル』『逃げるは恥だが役に立つ』の脚本家・野木亜紀子氏が手掛けたオリジナル作品『MIU404』(TBS系)は、先週4日に最終回を迎えた。以降、番組やキャストのSNSでオフショットがアップされたり、MIU404関係者が多数ラジオに出演したりと、MIUファンのロスに寄り添っている。


当初全14話の予定だったという『MIU404』は、コロナ禍で3話短縮され、全11話となった。15分拡大の最終話はわずか1週間という異例のスケジュールで完成させなければならず、今月26日発売の公式メモリアルブックは未だ制作途中というギリギリの状況。そんな中で製作陣とキャストが熱量高く愛情たっぷりに作りあげた本作は、「生きること」「未来へのやさしい希望」を全話通して伝えていたのではないか。最終話を見終わり、ドラマの主題歌である米津玄師が手掛けた『感電』が流れたポイントを全話拾い集めてみた時、そんな思いを持った。(以下、『MIU404』最終話、9/8放送『星野源のオールナイトニッポン』、9/7放送『菅田将暉のオールナイトニッポン』の内容一部ネタバレあり)



最終話が始まって、伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)はいきなり喧嘩。そこに流れる空気は、なんだか第1話に戻ったような錯覚にさえ陥った。


「パラララッ パッパ」とブラスの音で始まる『感電』のイントロが印象的だが、ここではその回の最後に流れるサビ、また音量が上がりぐっと歌が前に出てくるサビが流れた瞬間に注目する。


第1話で、『感電』のサビが最後に流れた時、映っていたのは水たまりに波紋をつくる、小さな女の子の一歩だった。おばあちゃんと手をつなぐ姿。伊吹と志摩が、最悪な事態になる前に止めて守った笑顔。人質立てこもり事件が起こった第2話では、富士山をバックにパトカーの前で犯人の加々見が振り返って一礼。「いつかまたね」「ごめんね」という逃走を助けた夫婦の言葉が、心に届いたような表情をしていた。第3話でサビがぐっと前に出たのは、虚偽通報した陸上部の生徒が、「ごめんなさい」と襲われた女子マネージャーに謝る場面。分岐点で正しい道へ戻された瞬間。第4話では、バスの車窓から見えた運送トラックに笑顔を浮かべる青池透子。青池が最後に一つだけ願った、これからを生きる女の子を助けたいという強い想いがあった。第5話は、不条理な扱いを受ける外国人留学生のマイが未来へ一歩踏み出した笑顔。第6話は、伊吹の「安心しろ、俺の生命線は長い」。“相棒の死”で何度もブーメランを食らいながらも刑事を続ける志摩の相棒として、未来に寄り添う言葉だ。第7話は、陣馬(橋本じゅん)をアシストする九重(岡田健史)のメッセージ。そして「これからもっと楽しいことしようぜ~俺たちがついてる~」とハムちゃんの未来を想う言葉。第8話は志摩の「行くぞ、相棒」。恩師のガマさんが逮捕され傷心の伊吹に、志摩が手を差し伸べた瞬間。第9話は、ハムちゃんと成川を井戸で助け、「間に合った!」と抱き合う伊吹と志摩の姿。さらに、エトリの脅威から守ってきたハムちゃんが解放され、明るい未来が見えた時の桔梗(麻生久美子)の涙。ドラマを思い出すとき、必ず頭の中で流れるであろう主題歌『感電』のサビ。そんなサビが印象的に流れた瞬間は、どの瞬間も、ささやかかもしれないが、一人一人の人生の未来への希望が見えた瞬間が映し出されていた。


しかし、第10話だけは違った。

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