綾野剛&星野源『MIU404』一瞬で心を持っていかれる名演技と仕掛け

TV 公開日:2020/08/14 132
この記事を
クリップ

『MIU404』で印象的なシーンは?


綾野剛と星野源がW主演を務めるドラマ『MIU404』(TBS系、毎週金曜よる10時~)は、一瞬一瞬のインパクトが大きい。冒頭の質問をもし投げかけられたら、○話のあのシーン、あの会話の流れ、あの言葉、あの表情、あのカット、あの間…など、それぞれ心に刻まれたシーンが大小さまざまな単位で、きっといくつも思い浮かぶことだろう。


『アンナチュラル』『逃げ恥』の脚本家・野木亜紀子が手掛けるストーリーは、スピーディーで濃厚。一話完結と言っても、犯人逮捕で終わりではなく、そこに至る人間の心情や社会の闇を映し出す。それぞれの回、そしてドラマ全体にまたがる伏線もびっしり。そこに各話、豪華ゲストが次々登場。一歩間違えれば、取っ散らかってもおかしくないほどの情報量だが、いざ観終わると「今回も面白かった」「グッときた」「今日の回、めちゃくちゃ好き」「また見直そう」と反響が相次ぐ。そして機捜メンバーが大好きになっていく。


先週7日放送の第7話は、その極みと言ってもいいほどのカオス回。りょう、塚本晋也、ロックバンドKing Gnuの井口理、“赤ペン瀧川”がゲストで登場し、成川岳(鈴鹿央士)、“謎の男”(菅田将暉)、ナウチューバーREC(渡邊圭祐)にも動きが。膨大な情報量をどんなふうに魅せることで高い満足度に繋げているのか、気になる“一瞬”をピックアップしてみたい。(以下、第7話のネタバレあり)


第7話、サブタイトルは「現在地」。



「え、ちょ、はえーよ!!!!」「冒頭からお腹いっぱい」「のっけから渋滞中~」SNS上ではいきなり沸いた。開始1分で、りょう、菅田将暉、King Gnu井口理の3人が登場したのだが、この1分の作りが巧妙だった。


りょうは何やら怪しい衣装で少し後ろを振り返りながら慌てた様子で猫に駆け寄り、「ダーメ」とつぶやく。今回の事件の入り口に、興味は一気にそそられる。そして声、背中、足元の順にカットが切り替わり、満を持して正面の顔。存在感を一個ずつ上乗せするように謎の男・菅田将暉登場だ。


その瞬間出る「松本さん」というワードも気になる。また足元のアングルで今度は自転車とぶつかりそうに。菅田がぶつかりそうになったのは、King Gnuの井口理。


ラジオ番組で共演経験のある二人が、ドラマの同じシーンで共演。ファンにとってはたまらない一瞬。ぶつかりそうになった配達員役の井口は帽子を取って謝る。しっかりと顔を見せた。そしてまた、菅田の後ろ姿。歩き方一つをとっても、いかにも胡散臭い。ここまでがたったの1分。インパクト大。


今回の事件では、トランクルームで男の遺体が発見される。401は休み。伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)は初動捜査に向かう。ニャンかある。綾野剛のアドリブ「伊吹メタルDEATH」も炸裂しながら、少しずつ事件の真相に迫っていく。


隣にいる志摩(星野源)の表情は、今話から幾分柔らかく感じられる。


第6話でかつての相棒の死の真相を知り、後悔は消えずとも「忘れない」と少し前を向いた。そして相棒・伊吹の大きさを感じた。そんな心の変化を、星野源は微妙な表情や空気の違いで繊細に表現。伊吹が、「10年間誰かを恨んだり、腐ったりしないで本当によかった」と自分の人生を振り返る場面で、志摩が伊吹に向ける一瞬一瞬のまなざしは、温かみのある優しいまなざしだった。


二人の絆の深まりは、ほんの一瞬にも。メロンパン号を離れた志摩に駆け寄る伊吹。でもその前にちゃんとメロンパン号に鍵をかける。機捜に来て志摩に言われた教えを守って、鍵をかけられるようになっていた。鍵をかけてドアを少しポンポンとタッチ。この一瞬の仕草だけで、このシーンがグンと印象的になる。

1/2ページ

この記事の画像一覧 (全 39件)