中村倫也主演『美食探偵』の“震える”瞬間、美しく巧みなフィクション

TV 公開日:2020/06/21 28
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第7話いちばんの衝撃は、やはり“れいぞう子”(仲里依紗)。第4話で夫を殺し、死体を解体。粉砕式ゴミステーションに自ら飛び込む結末にゾッとしたものだが、彼女は生きていた。マリア・ファミリーの会話の中で「彼女が」と予感させておいて、最初の登場はドアのガラスに反射した顔だけ。「ゾワゾワした」「鳥肌たった」「怖すぎ」と震えあがる一方、登場にファンは歓喜し、その演出に唸った。


恐怖や衝撃だけではない。ホットミルクのエピソードは、視聴者の心をキュンとさせる。


摂食障害で夜中に眠れないココ(武田玲奈)を心配して、苺が「神経が高ぶってるんだね。あ!そんなときはホットミルク!ちょっとだけお砂糖入れて。」と用意しようとするが牛乳がない。そこへ、少し前に「ちょっと出てくる」と外出した明智が袋を持って帰ってくる。「ライブ前で神経が高ぶっているんだろう。そんな時はホットミルクだ。砂糖を少しだけ入れてね。一号、彼女にホットミルクを」。苺と思考は同じ。袋の中には、買ってきた牛乳が入っていた。


そして、このドラマで毎話切なさで心震わす主題歌、宇多田ヒカルの『Time』。マリア(小池栄子)は苺の大切な友達まで、“そっち側”に連れていってしまう。闇に堕ち、それに気づいた明智(中村倫也)のやるせなさ。「ココちゃん…」と手を取ろうとする苺(小芝風花)をココ(武田玲奈)は拒む。苺とココの間にできてしまった距離は、第7話で描かれてきた“距離”の中でもっとも遠く、切なく感じられた。



様々な“震える”瞬間が散りばめられドラマ『美食探偵 明智五郎』。あっと驚くストーリー展開は完全にフィクションの世界だが、描かれる心情は繊細でリアル。役者陣の演技がリアルな感情へ落とし込み、共感を生む。現在の状況を組み込んで演出する気概と巧みさで、リアルをフィクションの世界へ昇華させる。そんな現実とフィクションの間を、心震わせながら楽しめる作品ではないだろうか。


第8話は、マリア・ファミリーが全員集合。苺はついに明智に思いをぶつける。


また、明智とマリアの“本当の”出会いも明らかになるようだ。衝撃の展開が待ち受ける第8話に期待が高まる。

【画像】第8話の場面写真をもっと見る


■『美食探偵 明智五郎』

日本テレビ系 毎週日曜22:30~23:25)
(最終話 28日 22:00~23:25(30分拡大SP)

原作「美食探偵-明智五郎-」東村アキコ(集英社「ココハナ」連載)
Ⓒ東村アキコ/集英社


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※本記事は掲載時点の情報です。

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