志田未来の狂気の表情にゾクッ…闇深き『美食探偵』の奥深さ

TV 公開日:2020/05/26 14
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「私は母親似なんかじゃない」。茜が写真立てに入れて飾っている母との写真。その下にはもう一枚、母親と男が写る写真が。男の顔は黒マジックで塗りつぶされている。そして思い出したのが18年前の出来事だ。


木から落ちたキズ物のりんごでジャムを作る母親と幼い茜。

母:お料理は愛を込めてつくるのが大切なんだよ。
茜:愛ってなに?
母:え…?そうね。お母さんは、茜のこと愛してるわ。


突然泣き崩れる母を茜が気遣うと、母は「やめて!!!!!」と突き放す。「あ…ごめんね、茜。愛って難しいから」我に返った母は、父親を愛していたと告げた。


茜の顔は、母を捨てた父によく似ていた。急に色を失った目で、母は鍋からあつあつのジャムをスプーンにたっぷりすくって、「ほら、味見してみて」と茜に差し出した。まだ幼い茜は「うん!」と口にする…。


大人になった茜は、わざとだと気づいている。むしろその気持ちを痛いほど理解している。しかし「傷ついて終わるのは嫌」。魔女になると心に決め、ぐつぐつと煮えたぎるジャムの鍋を見つめる茜(志田未来)は、ゾッとするほど恐ろしく、狂気に満ちた表情をしていた。


第2話の本編で、苺(小芝風花)が茜に「お母さんだって、人を殺すためにジャムの作り方教えたんじゃないでしょ!」と訴えかけた場面で、驚くほど茜は激昂した。その奥にある感情はこのエピソードを知ることで輪郭がはっきりする。母と同じ道を辿った自分が、魔女になると決めた覚悟は相当なもの。本編最後に、警察に連行される茜が見せた冷めた表情も、この闇の深さから来ていたのだろうと想像させる。


サイドストーリーも本編同様の豪華キャストが重厚な芝居を見せ、本編での表情や言葉に、さらなる説得力を持たせる。これだけの内容は、演技派のキャストでなければ表現しえなかったのかも…とふと思ってしまう。


「撮影が止まったお陰でいいものが見られた」という声まで聞かれた特別編。次週は、“シェフ”(武田真治)と“れいぞう子”(仲里依紗)のサイドストーリーが放送される。


■『美食探偵 明智五郎』

2020年4月期日曜ドラマ  毎週日曜22:30~23:25

原作「美食探偵-明智五郎-」東村アキコ(集英社「ココハナ」連載) Ⓒ東村アキコ/集英社
ⒸNTV

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※本記事は掲載時点の情報です。

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