毎週火曜21時より放送のクイズバラエティ番組「そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!?」(ABCテレビ・テレビ朝日系)。2月4日の放送では『家に必ずあるもの』、『球』をテーマに、「ティッシュペーパーはそもそも何?」や、砲丸投げの競技中の写真を見て、「これは ○丸投げ?」といった問題が出題された。
今回は番組スタート当初から昭和生まれのパネラーとして出演している麒麟・川島明に、2月4日放送分を振り返ってもらいながら、次回の3時間スペシャル(2月11日放送)の見どころを直撃。平成世代へ抱いている意外な本音も飛び出すインタビューとなった。
――まずは、番組の印象を率直にお聞かせください。
収録の空き時間に昭和のパネラーの方によく聞かれるんですよ。「(平成の解答者達って)みんな本気でやってんのか?」って。でも番組当初から観ていると、完全に本気。(千原)ジュニアさんと話していたんですが、若い方々って好きなことはとことん調べるけど、興味のないことは全く調べない傾向がある、と。たとえば僕ら世代でいうと『ザ・ベストテン』などの歌番組を観るとき、放送前からテレビの前にいて、10位から1位まで全部観たんです。その上で6位の人ってよく知らんけど、意外にいい曲やったなぁって楽しんだ世代。だけど今は1位をダウンロードする時代なので、興味がなければ聞かないんですね。
――確かにそうですね。
今回の問題で言うとティッシュの香りや肌触りといった最新情報に詳しい人でも、「じゃあ、ティッシュペーパーはそもそも何?」ということについては知らない環境にいるんだろうな、と感じています。
――そこにはやはり感覚差がある、と?
そうですね。フルコースを食べなくてもメインディッシュだけを食べている、と言うんでしょうか。便利な時代ではあるけれども、そうした便利さに警鐘を鳴らしていますよね、この番組は(笑)。ただ、平成生まれの方々ってすごく堂々としているところは凄いと感じています。不正解と言われているのに、その間違いに自信があるから、浜田さんに対して「え!? 知らないんですか?」みたいな(笑)。そこはもう素晴らしいとしか言いようがないですね。
――「ティッシュペーパーはそもそも何?」でも、自信満々の珍解答が続出でした。
過去に、『かつおぶしってそもそも何?』とか「ソバ粉ってなんの粉?」などの問題で、「木」と答える人が多かったんですよ。平成生まれの方々って追い詰められたら「木」と答える傾向があるんだな、と。それで、わざわざスタッフさんがこの問題を用意したのですが、「ごみのリサイクル」とか「動物の毛」とか…。思いっきり大間違いなんだけども、自信満々で堂々と解答するから、とにかく本気なのは伝わってくる。
――渋谷凪咲さんの「ティッシュペーパーはTシャツをリサイクルしているんです」と力説する姿に、榊原郁恵さんが「正解にしてあげようよ!」と思わずおっしゃってました。
本気が伝わるから、こちらの心も動かされるんでしょうね(笑)。僕ね、渋谷さんの解答を毎回楽しみにしているんです。この番組でファンになった一人ですね。ジュニアさんと「(渋谷さんは)大喜利強すぎひんか!?」と話をしているほど。以前、出題された「西郷隆盛は何をした人?」という問題に、渋谷さんは「できるだけひとりで船を作った人」って即座に返してきて。凄みを感じたんですよ。
――凄みといいますと?
たとえば、この番組では台本が用意されていてわざとふざけていると思っていらっしゃる視聴者の方がいらっしゃるかもしれないのですが、秒でこの言葉を返してくる感性が平成世代の本気なんですよ。僕は大喜利であんなにオモロイこと、とても言えないですよ(笑)。今回でも砲丸投げの「砲」を「頬」と書いたりね。言葉も知っているし、漢字も書けるんですよね。でも「砲丸投げ」という競技のことを知らない。そんな人たちが本気で投げ込んでくる言葉を僕たちが思いつくはずないわけです(笑)。あとは大石絵理さんの「重り丸投げ(おもりまるなげ)」もすごかったですね。芸人としてこちらがハッとするようなフレーズを持っている。間違えてるけど記憶に残る解答を出せるんですよ。
ただ、大石さんは食品関係の「何でできている?」という問題では、必ず体に害のあるモノを答えるんです。「毎日食べてるんやで!?」って思うんですが、解答にハッキリ書くということは、かなりの根性をしている証拠です。まさに、“考えたコトない”が浮き彫りになっていると思います。
――では、2月11日放送の3時間スペシャルの見どころをお願いします。
これまでの放送でもそうですが、意外と霜降り明星が間違えとるな、と(笑)。このメンバーの中では、正解を出して引っ張っていく側だと思っているんですが、この二人が肝心なところで間違えますからね。意外と粗品がアホやったりするんですよ。ネタも面白い、大喜利も面白い、『M-1グランプリ』を獲って『R-1ぐらんぷり』でも優勝できる。格好悪い面を先輩の僕らにもあんまり見せないのに、間違えるはずのない問題で間違えてマジで落ち込んでいるのを見ていると心が痛みます。実は、粗品にアイコンタクトをたまに送ってるんですが、この番組に関しては、絶対に目を合わせてくれない(笑)。「いじらんといてください」ってめちゃ出してますよ。
――平成世代には、AKB48の柏木由紀さんが初登場しますね。
柏木さんはヤバかったですね~。今回はある意味で柏木さんに向けた超サービス問題が出題されたんですが…。もしこの問題の全容が放送されたら、柏木さんは街を歩けないと思います(笑)。
あとは、これまでに過去全部の放送回を観てきた中で、浜田さんが一番疲れていましたね。番組初のパターンが多くて、まあとにかくビックリすることがこれまでにないくらい多かったですよ。浜田さんが途中で座り込んでしまうほど、体力を奪われる展開だったということだと思います。
――この番組の魅力は?
僕、実家で番組を観たことがあるんですけど、さっきまで笑っていた親父がむちゃくちゃ間違えるという結末が待っていて(笑)。家族で観たら、実は親世代も知らないことがあったりするので、急にリビングが静かになると思います。内容的にとてもわかりやすいので、次の日にはみんなが平等に賢くなれる番組ですし、2世代、3世代で番組頭から最後まで楽しんでほしいと思います。
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