『G線上のあなたと私』最終回、ドラマで踏み込んだリアルな女心

TV 公開日:2019/12/17 56
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「一人になりたいって言ってるときは誰かに来てほしいし、大丈夫って言ってるときは全然大丈夫じゃなかったりする」

満月を見上げ、急に涙がこみ上げる“幸恵さん”(松下由樹)の姿に、胸が締め付けられながら終わった、先週の『G線上のあなたと私』第9話。そんな幸恵の気持ちを察し、也映子(波瑠)が理人(中川大志)に教えた“面倒くさい”女心は、多くの視聴者の共感を呼んだ。

「はぁ、今になってきつくなってきた…」

体の不自由な姑の介護、娘の受験、家計を助けるパート、日々の家事。夫の浮気という心の奥で許せない想いを抱えながらも、幸恵(松下由樹)は、元気に明るく日々を過ごしていた。バイオリン三銃士(也映子・理人・幸恵)での時間や関係は、かけがえのないもの。也映子と理人が恋人になった喜びを噛みしめ、ひとり夜に祝杯。「2人とも、やったぜ。よくやった!」とご機嫌なところに夫が。「今日ね、ちょっといいことがあってね。あのね!あ、一緒に飲む?」と珍しく笑顔で誘ったのだが、夫から返ってきた答えはNO。「いいよ。明日早いし、寒いし」。そっけないものだった。



パートの帰りが遅くなり、幸恵が家に戻ると家族が食べていたのは具なしのうどん。「お店のコロッケもあるし」と支度を始めようとすると、夫から「もう、いいよ。別にコロッケ足しても大して変わらないだろ?」。「毎日大変そうだから、協力してるつもりなんだけど」「よくやってくれてると思うからさぁ。多実の受験のことも、お義母さんのことも。でも、あんま完璧にやろうとしなくてもいいんじゃないの?」と理解のあるようなセリフが並べられたが、最後は「ちょっと、見ててきついよ」。日々の頑張りを「大して変わらない」「見ててきつい」なんて言われたら…。


ふとした時に襲ってくるつらさ。気付かないうちに溜まった感情は、何かのきっかけでプツンと糸が切れて心が折れてしまう。時折見せる幸恵(松下由樹)の暗い表情や背中がそれを物語っていた。心を落ち着けようと弾き始めた『G線上のアリア』も、物悲しい音色。弾き進めることはできなかった。

そして幸恵は家出をした。也映子と理人には「ちょっと一人になりたくなっちゃった。」「大丈夫、大丈夫!ちょっと困らせて、ありがたみを分からせたいだけ。一晩だけ不良になって、一人の夜を楽しみまーす!」とルンルンなスタンプを送り、屋台のおでん屋で熱燗。羽目を外しているはずだけど涙が浮かぶ。「一人になりたい」「大丈夫」は、つらくて全然大丈夫じゃない。年齢など関係なく、“自分でもどうしようもないもの”があるのだ。

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