波瑠主演『G線上のあなたと私』はグサグサ刺さるのに心地よい、なぜ?

TV 公開日:2019/11/12 10
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「人を好きになるとか、ほんと暴力です」
「なんでみんなさぁ、大事なものとか、ゆずれないものとか、目指すものとか、ちゃんとみつけられんの?」
「大人になるとね、お友達って減るの」


波瑠主演の火曜ドラマ『G線上のあなたと私』は、やさしいけれど、生やさしいドラマではない。

酔っ払った理人(中川大志)の“シャッタードン”(第3話)や突然の“手つなぎ”(第4話)などが世の女子たちをキュンキュンさせていることは間違いないし、也映子(波瑠)・理人・そして幸恵(松下由樹)の3人の掛け合いが楽しいことも確かだ。観ていてなんだか心地よい気持ちにもなる。

ドラマは、決して劇的な出来事が起こるわけではない。描かれるのは日常。そして登場人物たちのちょっとした心の変化が物語を紡いでいる。

しかし、このドラマには冒頭にある言葉たちのように、視聴者をドキっとさせるセリフ・心にグサグサ刺さる言葉とリアルな現実が散りばめられている。

第4話に出てきた、「人を好きになるとか、ほんと暴力です」は、理人の兄・侑人(鈴木伸之)の元婚約者である眞於先生(桜井ユキ)の言葉。理人(中川大志)の自分への想いに対して、「思いを寄せられたら受け入れるか、拒むなら相手の納得するように説明しろって、それ暴力ですよね?」と、光のない目で也映子(波瑠)に説明した。也映子も心の中で、「ほんと、全員被害者。人を好きになるとか、災いでしかない」と認めざるをえなかった。

眞於先生(桜井ユキ)に付き合おうと思っている男がいるらしいと聞いた理人(中川大志)は、「そういう人がいるってわかった途端、なんか急にフラれたって事実がリアルに刺さってきて」しまう。「告白までしてフラれてんのに、ずるずるずるずる引きずって…」と頭を抱え、叶わぬ初恋の苦しい胸のうちを明かす。

恋愛に対してだけではない。

也映子(波瑠)のいとこ(真魚)が双子を妊娠。「2人いっぺんに出て来たら、簡単に仕事復帰とか無理じゃない?」。リアルな現実が突きつけられる。「東京のど真ん中で、一生美容師やる」という夢が揺らぎ不安を感じている。
確固たる夢があるいとこに対し、無職の也映子はというと、就活で「音楽関係」を希望するもうまくいかない。「面接で“音楽に救われました”なんて言ってます。たった半年、バイオリンをちょろっと習ったくらいで。」と、大事なもの・ゆずれないもの・目指すものが見つけられない自分に対して自虐的だ。


幸恵(松下由樹)は、脳梗塞の義母が退院したのものの介護が必要に。楽しい時間だったバイオリン教室を続けることが難しくなる。そんな幸恵に也映子(波瑠)が発表会を開こうと誘う。なんとか説得しようとする也映子に、つい「今それどころじゃないのよ!」と声を荒げてしまった幸恵。ゆずれないもの、気持ちだけではままならない現実がそこにはあるのだ。

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