深夜ドラマ「新しい王様」が面白い、爽快だけどグサグサくる

TV 公開日:2019/01/09 10
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「日本地図の九州がアフリカ大陸になっている」というクレームの電話が報道局に殺到。これは何を意味するのか…と考える暇もなく、のほほんとした音楽とともに、ボサボサ頭の藤原竜也がかったるそうに街を歩く姿。そして次に映されたのは、ビルの非常階段で横たわる女の細い生脚。ピンクの超ミニスカナース姿の武田玲奈が男二人に追われ、ビルの4階から飛び降り逃走。しかし、そんなショッキングな場面もすぐに切り替わり、越中ファンド株大量保有のニュースに。越中ファンド代表・香川照之が嫌味な態度で名門上場企業へチクリ。不自然なニュースの訂正が入りながら、再び武田玲奈が逃走する場面になったかと思うと、オシャレなスーツ姿のイケメン杉野遥亮が切羽詰まった様子。携帯電話で資金繰りをしているようだが、頼りない。タクシーを待っていたが、止まったタクシーに乗り込んだのは逃走していた武田玲奈だった。

TBSと動画配信サービス「Paravi(パラビ)」が共同制作するドラマ「新しい王様」初回が8日深夜に放送された。視聴者からは、「あっという間の30分」、「テンポがポンポンいくから爽快」、「全く見る予定なかったけど面白かった!」と反応は上々のようだ。

冒頭で述べたのは、放送開始からわずか4分足らずの内容。めまぐるしく切り替わる場面についていけなくなるかと言えばそうではない。次々登場する魅力的なキャストと、時代を象徴する会話、そして時にはグサリと突き刺さる言葉の数々。どんどん続きが見たくなるのだ。

ドラマの核となるのは、藤原竜也演じる「カネの力」や「所有する」ことに対して距離を置き、新しい価値を見つけようとしている自由人・アキバと、香川照之演じるカネやモノや女へのあくなき欲望をストレートに追求するファンド会社代表の越中。飄々としながらもどこか天才感漂う藤原竜也と、自信たっぷりで嫌らしさを滲ませる香川照之の存在感は言うまでもないが、杉野遥亮武田玲奈というフレッシュな二人の存在感も光っている。




人材派遣会社の駆け出し社長・コウシロウを演じている杉野は、「好きにはなれないけど嫌いにもなれない、一周回って愛嬌のある男を目指しました」とコメントしていた通り、コウシロウの中身の薄っぺらさを愛嬌たっぷりに演じている。目の前の状況を飲みこめない間の抜けた表情や、一人あたふたする様子はどこか憎めず可愛らしく見えてくる。そして衝撃のエロいナースコスで登場した武田は元看護学校の生徒だが、なにやらワケアリ。ついスラリと伸びた美脚に目がいってしまうのだが、それとともに漂うか細さと透明感に目が奪われてしまう。

さらに、越中(香川)の部下2人も目で追いたくなる存在。最高にカッコいいスーツ姿の小関裕太と、スーツに赤い口紅が印象的な、いかにもデキる女・MEGUMI。越中に忠実な部下で決して笑わない彼らだが、越中の発言や大げさな動作に対する視線や反応は、どこかコミカルだ。他にも、声をかけられれば一目惚れ間違いなしの泉里香、いかにも業界にいそうな八嶋智人といった役どころが見事にハマっている。

そして、第1話最大の見どころは、ラストに捲し立てられたアキバ(藤原)の言葉たちではないだろうか。この場面、杉野は「これが藤原さんだ!」と、役としても、杉野遥亮としても引き込まれたという。「サイには固有の価値がある、でも今のお前には何の付加価値もないだろう」「もっと時間をかけて、自分の価値を高めてみたらどうだ?」「お金があれば何でも買える?」「そんなのは所詮、やつらの枠組みの中でのことだろ」「興味を持て!」「考えろ!」「提案しろ!」「踏み出せ!」「生き残れ!」…。これはほんの一部だが、どの言葉も心にグサグサ突き刺さる。難しい言葉は一つもない。だからこそストレートに心に届き、考えさせられる。そして生きるヒントを与えてくれているようにも感じるのだ。

SNS上では、「「付加価値がない」ってかなりグサグサくる」「なんか考えさせられるドラマだなあ」「うっかりしてるとあきばさんとえっちゃんの名言を聞き逃す」「深夜なのもったいないくらい面白いしキャストも豪華!!」との声や、「面白そうな予感しかしない」、「これは毎回ちゃんと見るやつ」、「続きが気になる!!」と今後の展開に期待を寄せる声が多く上がっている。

同ドラマは1月8日から11日、14日~17日までTBSにて放送され(11日のみ深夜24時35分~)、その後「Paravi」にてシーズン2が17日深夜24時26分より配信開始。以降は毎週水曜の24時に更新される(全17話)。


劇中画像(C)ヒント/TBS