VAMPS 夏恒例「BEAST PARTY」沖縄に初上陸

ニュース 公開日:2017/08/08 2
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HYDE(L'Arc〜en〜Ciel)とK.A.Z(OBLIVION DUST)によるロック・ユニット、VAMPSが8月5、6日の2日間に渡り、野外イベント“VAMPS LIVE 2017 BEAST PARTY ”を沖縄県・ぎのわん海浜公園屋外劇場にて開催。沖縄県内のみならず、全国各地から駆けつけた合計6,000人の観客とともに熱狂のライヴパーティーを繰り広げた。 

毎年恒例となっているこの夏のイベントも今年で6回目。2012年に“VAMPS LIVE 2012 BEAST ON THE BEACH”として愛知県・蒲郡ラグーナビーチ特設ステージで初開催、翌年には“BEAST PARTY”と名を定め、湖畔(山梨県・山中湖交流プラザ きらら)、里山の丘陵地(新潟県国営越後丘陵公園)、海岸(千葉県・幕張海浜公園内 BEACH STAGE)と、夏のレジャー地を次々と制覇してきた。昨年は関西エリア(大阪・舞洲 太陽の広場 野外特設ステージ)にも初進出。

ついに今回、日本の最西端の地、沖縄県へと初上陸した。約4,000人が収容可能な大型屋外劇場であるこの会場は目の前を海に臨む絶好のロケーション。なおVAMPSの沖縄公演は今回が初だ。台風5号の影響で直前まで開催が危ぶまれたが、初日となる8月5日は天候も安定し、無事決行と相成った。



場内に掲げられた幾旗ものフラッグが潮風にたなびき、ステージ後方にはイベントロゴと髑髏に剣とハイビスカスをあしらったイラストの巨大なバックドロップが壁のごとくそそり立って続々と入場するオーディエンスを出迎える。錆びたドラム缶や古タイヤが転がり、ドラムとキーボードを乗せた台が“KEEP OUT(立ち入り禁止)”のテープでぐるぐる巻きにされているなど荒廃したストリート感を醸すステージセット。場内がただならぬ気配に包まれる中、開演時刻の17時30分を少し過ぎて唐突にサイレンが鳴り響く。
 
メンバー登場かと思いきや、乱入してきたのは悪漢に扮したアクターたち。すると客席後方にそびえる塔にVAMPSのふたりが現われた。ステージとの間に張られたワイヤーロープを滑車で伝い、ふたり並んでまるで空を飛んでいるかのようにオーディエンスの頭上をゆっくりと滑空しながら、手にしたハンドガンで悪漢どもを撃退するという大掛かりな演出でオープニングを飾る。ふたりがステージにたどり着くと同時に1曲目「THE JOLLY ROGER」の演奏がスタート、アッパーなパーティーアンセムで早くも場内は一体に。

「沖縄! “BEAST PARTY”へようこそ! 台風は追っ払ったから全力で夏を楽しもうぜ!」

HYDEがそう呼びかけるのを合図に『AHEAD』『ANGEL TRIP』と夏らしい疾走感に溢れたナンバーが畳み掛けられ、続く『TROUBLE』(1990年代に活躍したロンドンの女性グループ、Shampooのカバー)では「みんな、暑いでしょ?」とHYDE手ずから客席にウォーターガンで水を撒き散らすや会場いっぱいに嬌声が上がり、興奮は一気に頂点へと引き上げられる。

「めんそーれ!(沖縄の方言で“いらっしゃい”“ようこそ”の意) よく来たね。きっと、みんなも心配してたと思うけど、僕も毎日天気予報を見てて。でも僕らが来たら(台風は)どこかに行きました。こういうときは調子に乗らないで感謝しないとね。やっつけたぜ、とか言わない!」

そんなMCでオーディエンスの笑いを誘ったあとは『ZERO』『COSMOS』などスケール感のある楽曲で野外ならではの開放感を共有。また、この第一部にあたる前半戦のラストにはK.A.Zとサポートメンバー3人によるEDMサウンド全開のインストセッションも披露され、VAMPSの新鮮な横顔を覗かせる一幕も。

中盤、第二部のアコースティックコーナーでは浴衣に着替えたHYDEがひとり、夏川りみの『涙そうそう』をアコースティックギターの弾き語りで歌い上げたのを始めに、メンバー全員参加のMCなども挟みつつ、『MISSION』『MY FIRST LAST』といつものVAMPSライヴとはひと味違った柔らかな音色を響かせる。コーナーの最後は「せっかくなので沖縄らしい曲をもう1曲」とプロの三線奏者を招いてTHE BOOMのカバー『島唄』を演奏。夕焼けで真っ赤に染まった空の下、HYDEの深みのある歌声と三線独特の音階、温かく力強いバンドサウンドが絶妙に融け合ったアンサンブルにその場の全員がうっとりと聴き入った。

楽器・機材の転換中には沖縄の伝統芸能、エイサーの地元有志チームが登場してダイナミックな舞踏で会場を盛り上げるといった郷土色豊かな演出もパーティーらしい非日常感を掻き立てるが、やはり本領の牙を剥き出したVAMPSのステージは何をも凌駕して強い。突入した後半戦、第三部は今年4月にリリースしたニューアルバム『UNDERWORLD』からの楽曲を軸にした最新モードのステージングでオーディエンスを狂騒の坩堝に叩き込む。海賊風のワイルドな出で立ちで現われたHYDEが「夜がきた! 夜はVAMPSに任せろ! 燃え尽きようぜ。本能ぬままんかい!」と定番の必殺フレーズ“本能のままに!”を沖縄弁アレンジで昂揚を煽ると場内にはすさまじい歓声が渦巻いた。

アルバム表題曲であり、今の彼らの勢いを牽引するヘヴィチューン『UNDERWORLD』にアメリカンロックの王道を行く『RISE OR DIE feat. Richard Z.Kruspe of Emigrate』、ダーク&ゴシックに攻め込んだ『BLEED FOR ME』と『UNDERWORLD』を引っ提げてのツアー“VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD”を現在敢行中ともあって、鍛え抜かれたライヴパフォーマンスは圧巻の一語。ライヴでは久々となる『REVOLUTION II』ではフラッグを肩に担いで再びHYDEが空中を往復、すっかり暮れた空の闇にその勇姿はまばゆく映えた。

「今回中止になるかと思ったでしょ? だから俺も出発する当日まで何も荷造りしてなかった。(笑)でも見事に逸れたね。みんながすごく楽しみにしてるパーティーだからホントよかった。今回はエイサーがあったり三線が聴けたり、旅行気分を味わえる“BEAST PARTY”になって、これでまたいい夏が過ごせるんじゃないかな」

今回の“BEAST PARTY”は終盤、この日を振り返ってしみじみとK.A.Zが口にしたこれらの言葉に集約されるだろう。沖縄の夜空に打ち上げられた数百発の打ち上げ花火が大成功を収めた初日の終宴を彩った。

この“BEAST PARTY”のあとには“ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017”“SUMMER SONIC 2017”など複数の夏フェスに参加が決定しているVAMPS。9月には自身のツアー“VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD”の札幌、仙台公演、さらにはアメリカに渡っての公演も控えている。また、10月21日には神戸ワールド記念ホール、11月5日には幕張メッセイベントホールにて前述のツアーを締めくくるアリーナ公演開催も発表された。2017年後半を猛スピードで駆け抜けるVAMPSから目が離せない。

カメラマン:田中和子/緒車寿一

※本記事は掲載時点の情報です。

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