EXILE、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの岩田剛典が、11月9日に広島・上野学園ホールで、初のソロツアー『Takanori Iwata LIVE TOUR 2022 “The Chocolate Box ”』の初日公演を開催した。
昨年ソロプロジェクト「Be My guest」を発足させ、「korekara」でソロデビューを果たした岩田。今年10月には自身でアートワークや作詞も手がけた1stアルバム『The Chocolate Box』をリリースするなど、精力的な活動が続いている。今回のツアーはそのアルバムを引っさげて行われるもので、「ファンの皆さんに身近に感じていただけるような場所を作るために」とスタートさせた新たなチャレンジ。開演前の取材では「デビューして1年で、これだけの規模のツアーができるのは普通じゃないことはよくわかっていますから、感謝しかありません。キャリアだけは長いですが(笑)、ソロアーティストとしては駆け出しの新人の気持ちでやりたいなと思っています」と意気込みを語った。
4人のダンサーからなる“Chocolate Boys”とともにステージに現れた岩田は、美しいフォーメーションとしなやかな身のこなしでオープニングナンバー「Ready?」を披露し、客席を埋めたファンもカラフルなペンライトで盛り上げる。バンドのグルーヴ感もどんどん高まっていき、初日の1曲目とは思えないほどの心地よさに包まれていた。
「改めまして、岩田剛典です! 今夜だけは、仕事も学校も全部忘れて、このステージの一瞬一瞬をその目に焼きつけてください!」全国のファンに、自分の音楽とパフォーマンスを届けたいーーその思いを胸に、アルバム『The Chocolate Box』の世界観が丁寧に構築されていたこの日のライブ。事前の取材で「ライブはお客さんとのキャッチボールでもあるから、どれだけリハーサルを重ねても実際にやってみないと気づけないことがたくさんあると思っていて。だけど、今までリハーサルでやってきたことを、この初日で100%出し切れたらそれがベスト。自分のことを応援してくださっている方々しかいない空間で、自分の言葉で、自分の想いを届けられるのが本当に嬉しいんです」と笑顔を見せていたが、お客さんと向き合えるこの時間を何よりも楽しみにしていたことは、どの曲のパフォーマンスからも伝わってきた。
2度目のMCでは、翌日にデビュー12周年を迎えることに触れ、「まだ大学生だったデビュー当時の自分には何のスキルもなかったけど、周りの方々のおかげでいろんな景色を見ることができました。ファンの皆さんがいなかったら僕は自分を信じることができなかったし、ここまで走ってくることもできませんでした。12年間温かく支えていただいた皆さんに、心から感謝申し上げます」と頭を下げた。そして、自分自身のこれまでも踏まえながら「時に自分を見失ってしまうことがあるかもしれないけど、自分の心に正直に生きてほしい」というメッセージを伝えていた。今回のアルバムに収録されている楽曲の作詞のほとんどは岩田自身によるものだが、こうしてMCで客席に向かって発する彼の言葉を聞いていると、どの曲にもそういう自分の根底にある気持ちや指針がベースにあるからこそ、単なる“歌詞”で終わっていないのだと感じた。