安斉かれんが、3月2日リリースの新曲『ちゃんと世界線』のMVで、モデルとして活躍する妹・安斉星来と初共演。互いに違うステージで人気を集める2人がタッグを組んだことで、楽曲の魅力をさらに引き立てるMVへと仕上がった。
飾らない2人の素顔が全開の2ショットインタビューで、今作の魅力やMV撮影の思い出、今後の共演についても聞いていく。
──今回姉妹初共演ということですが、まずは今回の楽曲の魅力から聞かせていただけますか。
かれん
疾走感溢れるこのメロディーにどんな歌詞がいいかなと思った時に、タイトルに『ちゃんと世界線』とある通り、並行世界、自分の世界線について書きたいなと思ったんです。
並行平行世界と言うと少し難しく聞こえるかもしれないですが、昔のカメラロールを見ていた時に、例えば今、私がこのお仕事をしていなかったら、何のお仕事をしているんだろう、別の世界線もあったかもしれないな、という感覚です。
過去があっての今だから、「今をちゃんと生きていこう」という思いを込めて書かせていただきました。
──星来さんはどう感じましたか?
星来
聞く回数を重ねていくごとに、かれんが伝えたいことがよりわかってくるなと感じました。聞けば聞くほど深くなっていくんです。「今、こういうことを考えてるんだ」と思いましたね。
──もともとかれんさんの曲を聞く機会は多いんですか?
星来
リリースされたらすぐに聞いています。彼女の作る曲は基本的にブルーというか、明るい曲があまりないんですよ。深みのあるような曲を書くので、彼女の発信する思いを歌詞を見ながら読み取ったりしています。お仕事も別々ですし、住む場所も違うから普段はあまり会えないので、ちょっと会いたいな、1人で寂しいな、という時に姉の曲を聞いたりすることもあります。
──子どもの頃のお互い、現在のお互いで変化を感じるような部分はありますか?
星来
姉はこのままですね。人に思いを伝えずに1人で悩むタイプというか。1人で悩んで歌詞に落とすことが多いと思います。いつものんきなようには見えるんですが、歌詞に内面が出たりするんです。裏で考えるタイプだと思いますし、それは昔から変わらないと思います。
かれん
星来は小さい時から、そんなに意見を言うタイプの子じゃなかったんですよ。だから何を考えているのかあまりわからなかったこともあるんですが、最近は自分の意見とかもちゃんと言えるようになったので、安心してます。感情あるんだ、みたいな(笑)。
──大人になって、今回が初共演ということですが、MV撮影はいかがでしたか?
かれん
私、普段はずっとソロで活動しているので、誰かがいると安心感もあってやりやすかったですね。しかもその“誰か”も一番近い存在の妹ということもあって、気構えずに挑めましたね。
星来
もちろん楽しかったです。
姉がお仕事で見せる一面と家族としての一面はやっぱり違うので、どこか能天気に見えていた部分もありましたが、仕事で本気を出している部分は初めて見ることが出来たので新鮮でした。
──星来さんは初のMV撮影ということですが、お姉さんからアドバイスをもらったりもしたのでしょうか。
星来
基本的になんでも聞いていました。本人が歌詞を書いているし、どう伝えたいかという思いもあると思うので、それに沿ったお芝居をしなきゃいけないと思っていましたね。
普段のお芝居やモデルのお仕事とは違うので、セリフもない分、体全体で楽しさを表現しないと伝わらないという部分も勉強になりました。
──かれんさんは、妹さんとの共演という面以外では今回のMV撮影をどう感じましたか?
かれん
セットチェンジも多くて、過去最多のセット数かな?撮影の仕方も360°のカメラが縦にぐるぐる回るというもので、初めての撮影手法だったので、新鮮でした。
監督のPennackyさんも、とってもクリエイティブな方で楽しかったです。
──撮影中に印象的だった出来事はなにかありますか?
かれん
休憩中にTikTok をたくさん撮りました。妹はTikTokが上手なので、普段から真似しています。
──では星来さん、イケているTikTokを撮るためのポイントはなんでしょう。
星来
何を伝えたいかによっても変わってくるんですよ。やっぱりクリエイターさんは流行り、最先端の投稿を意識すると思いますが、私の場合は流行りの曲というより、おすすめの欄に出てくる海外の方を真似したりすることがあります。
私、眉毛を自由に動かすことができるんですよ。自由自在に動くんです。
──本当ですね、すごい!
かれん
それなんでできるわけ?
星来
どこにでもいけるんですよ。これを使って表情を作ったりもしていますね。
──そんなテクニックをかれんさんも学んでいるわけですね。
星来
あなたは流行りに乗っているよね。
かれん
私は本当に苦手なので、流行っているものをトライしてみよう!みたい感じでやっています(笑)。
──今回のMV撮影の裏側で得た学びが、いずれ反映されるかもしれないですね。では、『ちゃんと世界線』のタイトルにちなみ、お2人のターニングポイントとなったような瞬間を聞かせてもらえますか?
かれん
私は歌を始めたタイミングですね。高校1年生くらいの時に歌を始めたんですが、もしあの時歌をやっていなかったらアーティストにもなることはなかったと思うし、何をしてただろう?。
星来
私は、この業界に入ったきっかけがとある方との出会いなんです。
最初はやる気も全然なかったんですよ。絶対にこの業界に入りたくないと思っていました。その方のお声掛けも最初は断っていたんですが、ずっと声を掛けてくださっていたんですよね。
かれん
私がいなかったらその方とも出会ってなかったしね。
星来
そうですね。姉とその方がいなかったら、私はたぶんこの業界にはいないですし、今頃何をやっていたんだろうと思います。美容学生になっていたかな。美容師になりたかったので。
かれん
私は結婚していたかも。地元から出ていないと思います。今はやりたいことがあるから結婚を考えたりすることはないけど、このお仕事がなかったらと思うと、そんな気がします。
──はじめは、お2人が姉妹ということは公表していませんでしたよね。
かれん
私のほうが先に出ていたので、星来が「安斉かれんの妹」となるより、「星来ちゃんとかれんちゃんって姉妹だったんだ」と思われるほうが、お互いの軸がしっかりするなと思ったので、今回はタイミング的にもいいんじゃないかと。
──なるほど。お2人はすごく仲が良い印象ですが、これまでの2人の間で思い出深い出来事はなにかありますか?
かれん
昔、夜にしゃべってたよね。私たち二段ベッドだったんですよ。私が上で星来が下で、急に「聞いてくれない」って始まる(笑)。
星来
豆電球だけ付いた暗い部屋でね。1ヶ月か2ヶ月に1回くらい。で、急にどっちかが寝ちゃって急にしゃべらなくなるんだよね(笑)。
かれん
あった(笑)。18歳くらいまでは実家にいたので、学校でのこととか、お互いの恋愛相談とかしてたね。
星来
姉妹だから気楽に話せるので、熱く語ってました。
かれん
「言わないでね」って言ってね(笑)。
──一緒に出かけたとか、外での思い出はありますか?
かれん
あまり出かけた記憶はないですね。最近YouTubeを始めたので、2人で旅行行こうかな。
星来
やった!行きたいね。
──では今回が初共演ですが、今後もYouTubeなどでお2人の姿が見られそう?
かれん
YouTubeに出てもらおうかな。やっぱり1人より、誰かいた方がやりやすいんですよ。とりあえず近場で旅行に行こう!。
星来
おいしいもの食べたい。
かれん
大阪行きたいね。
星来
北海道も行きたい。沖縄もいい。
星来
近々やりたいのは浅草デート。着物を着て。
かれん
やりたい。やろう。
星来
コロナが落ち着いたら海外に行きたい。
かれん
LA行きたい。車がないとだめだから免許取って。
星来
取ったら行こうね(笑)。
──YouTubeでのドライブ企画も楽しそうですね。最後に改めて、ファンの方にメッセージをお願いします。
星来
初めて姉妹共演をさせていただいたのでMVはもちろん見ていただきたいです。
2人共がこの業界にいなかったらできなかったことなので、本当にありがたい経験でした。歌詞にも注目しながら聞いていただいて、今後の姉妹共演もあるかもしれないので、楽しみにしていただけたらと思います。
かれん
歌詞にも注目していただきたいです。誰の人生にも過去と現在と未来はあるので、どんな方でも聞ける曲になっていると思います。が、特に、新しい一歩を踏み出したい時、現実から目を背けたいと感じた時、是非、聴いてほしいなあと思います。
キャッチーな曲なので、TikTokでダンスを踊ったり、歌ったりして、ぜひ皆さんにも歌って楽しんでもらいたいですね。
MVも色彩やセットがとってもかわいいし、新感覚の不思議な世界観なので、ぜひそのあたりも注目して見てみてください。
取材・文・撮影:山田健史