ELAIZA(池⽥エライザ)初ライブ、あふれ出る才能と美学

音楽 公開日:2021/12/26 9
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⼥優、映画監督、モデル、カメラマン、シンガーなど、 多才なクリエーターの顔を持つ池⽥エライザ。 


今年はELAIZAと名義し⾳楽活動を始め、11⽉には初のオリジナルアルバム『失楽園』をリリース。 その世界観を全⾝で享受できる初ライブが、12⽉25⽇ に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催された。 


次々と出てくる創作意欲。来年はBillboardでのジャズ編成ライブを発表した。突き刺すような寒波がおとずれたクリスマスに、記念すべき1stライブは 開催された。 それは、カオスと極彩⾊、儚くも美しい世界だった。 エライザが作り上げた1stアルバム『失楽園』で⽰した世界を視覚でも体感できる喜び。現代社会の疲弊と楽園の喪失、そして再⽣。EXシアター満席の観客とともに⽣まれるシナジーによって多幸感に包まれていた。 


ELAIZAから才能があふれていた。息づかいひとつでステージを掌握するカリスマ。スキルフルなミュージシャンを牽引するみずみずしい⽣命⼒で、 どの曲も鮮やかに奏でられていた。 ⾳響、照明などの演出チームの世界観のシンクロが素晴らしく、ELAIZAも 完全に信頼して⾝を委ねている様⼦が、この⼀回のライブに向け積み上 げてきた完成度を物語っている。 それによりELAIZA⾃⾝は歌の表現に完全に集中できていて、ボーカリスト として⾼い次元に到達していた。


これまで歌番組でカバー曲を歌うのを 幾度も⾒てきたが、歌唱⼒だけではない、内から湧き出るエネルギーの神々しい歌声に惹きつけられた。 ハイライトのひとつは⾃らが作詞した『Antique』、未来の地球環境への 嘆きをワルツに乗せ、極彩⾊の照明とベース轟く重低⾳は混迷を極める世界となるなか、柔らかなアコーディオンとささやくようなELAIZAの歌声 が、微かな⽣命の未来への願いを⽰していた。 


『惑星』はライブ本編の最後を飾る曲。⼗代から常に表現者として歩ん できたELAIZAが、様々な葛藤を乗り越え⾳楽という⾃分⾃⾝を表す世界に⾶び込み迎えた1stライブ。あふれる感情からか涙がこぼれる姿が印象的だった。⼤地の⿎動と⽣命⼒を感じる壮⼤なバラードは、⼤型スクリー ンに映し出された宇宙にたたずむ地球と、そこに⽣きる⼈々のささやか な⽇々とのダイナミクスが描かれ、昂る想いをこらえ歌うELAIZAの姿に、 多くの観客も涙流す姿が⾒られた。 


アンコール最後の1曲はELAIZAがアルバムの中でも特に⼤切にしている 曲の⼀つ『Paradise Lost』。⼿持ち型のシンセサイザーを携え幻想的な弾 き語りから始まり、会場を柔らかく包み込む歌声とのアンサンブルが、 幸福な⼀夜の儚い終焉を⼼地よく告げていた。 


終盤には新たな世界観・コンセプトによるライブの開催が発表された。 来春、東京など3箇所6公演のBillboardツアー。アルバム『失楽園』を新たな解釈によるジャズ編成でのパフォーマンスになるという。 ELAIZAの柔らかい歌声と飾らない⼈柄が、観客との⼀体感を創造し、未来への確かな希望を残して幕を下ろした。寒波到来の東京六本⽊にあたたかなクリスマスプレゼントとなった。

※本記事は掲載時点の情報です。

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