七海ひろき、歌詞に込めた想いとは?宝塚退団後の1年を振り返る

音楽 公開日:2020/04/13 98
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七海ひろきが4月15日にフルアルバム『KINGDOM』をリリースする。元宝塚歌劇団星組男役スターの七海は退団一周年を迎えたばかり。昨年は8月にメジャーデビューとなるミニアルバム『GALAXY』を発売し、今年はTVアニメ『ソマリと森の神様』やTVアニメ『織田シナモン信長』をはじめ、声優として数多くの作品に出演。そんな活躍の場を広げ続ける彼女に『KINGDOM』にかける思いを直撃した。



――まずは今回、発売するアルバム『KINGDOM』に込めた意味を教えてください。


「前回出したアルバムのタイトルが『GALAXY』でした。そのときは私が宝塚にいたとき宙組、星組だったので“みんなで銀河を見に行こう、飛び出そう”というイメージで付けたんです。今回の『KINGDOM』は、いつも応援してくださる方たちやこれから出会う方たちと一緒にステキな国を目指し、自分自身ももっと成長して、楽しく笑って過ごせるキングダム(王国)を、みんなで作りたいという気持ちから『KINGDOM』というタイトルにしました」


――というと、その“王国”では七海さんが王様というイメージなんですか?


「いえ、私の中で、初回限定盤と通常盤を王族の血を引く双子の王子という設定を作ったんです。初回限定盤は、やんちゃだけど人気者の弟。通常盤が、ちょっと病弱だけど心優しくて頭脳明晰で弟思いな兄。そんな2人をイメージした楽曲もあるんです。みんなと一緒にステキな国を作りたいという“七海ひろき”の思いもありつつ、双子の王子の設定を考えた時に、そういう設定があったほうがより中身の濃いアルバムになるかなと思いました」


――今回、七海さんがすべての曲の作詞を担当されています。それぞれの曲に込めた意味を教えていただけますでしょうか。まずは『花に嵐』から。


「この曲を聞いた時に、とてもドラマティックな曲調だなと思いました。だから歌詞も、物語性のあるものにしたいなと。最初に歌詞を考えたとき、サビのところに“花に嵐”を入れたいと思ったんです。井伏鱒二(いぶせますじ)さんが唐代の詩人于武陵(うぶりょう)の『勧酒(かんしゅ)』を訳した中に“花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ”という有名な一文があって。この一文が中学生ぐらいのときから好きで、いつかこの言葉を使えたらなと思っていたんです。曲を聴きながら文字数を考えたとき、ぴったりだと思って嬉しかったです。!“花に嵐”という言葉には、“良いことは、とにかく邪魔が入りやすい”という意味があるんですけど、例えそうだったとしても、その運命をどうにかしたいという思いを歌詞に込めました。自分で言うのもなんですが、とてもドラマティックな詩になっているので、歌詞にも注目して聴いていただけると、より楽しんでもらえるんじゃないかと思います」


――ミュージックビデオも、そういうイメージで作られたんですか?


「そうですね。少し幻想的な雰囲気になってます。あと、前回作った『Ambition』、『片思いの君へ』とは違う雰囲気にできたら良いなと思いました。こういうイメージでとスタッフの方に説明し、一緒に考えて作りました」



――続いては『君の未来日記』。


「これは応援ソングです。宝塚の後輩も含め、春から新しい生活を始める方たち、皆さん自分が思い描いていた理想があるじゃないですか。例えば会社に入って、こんなことが出来るかもと思っていても“なんか違うぞ”と感じたり、努力が中々実を結ばなかったりする方もいると思うんです。そういうとき、めげずに前へ進んでいけるような曲にしたくて。“自分だけの未来日記を書いていこう!”という曲にしました。後輩に向けての曲でもあるので、花・月・雪・星・宙という言葉も入っています。聞いて下さる方が、“自分だけの人生を歩けばいいんだ”という風に感じて下さったら嬉しいです。」


――『もう一度...』には?


「これは失恋の歌なんですが、全11曲の中で一番、難航した曲です。自分の中でストーリーを考えて“この物語の主人公がもし失恋をしたら、どういうふうに思って、どういう歌を歌うだろう”という風に想像しながら作りました。人物像が揺れると歌詞もぶれるので難しくて。最初はもっと女々しい感じの主人公で、全く共感が出来なかったんです(笑)それを調整しながら書いて、今の歌詞になりました。生みの苦しみがあったからこそ、思い入れもある曲です。」


――『ラビリンス』は?


「この曲は双子の王子の弟の気持ちなんです。辛いことがあったときの気持ちを想像しながら作りました。辛いときに明るい曲を聴いても、気持ちが上がらない時ってあると思うんです。辛いなぁ、浮上できないなぁと思っている人に無理に立ち上がれというのではなく、気持ちに寄り添えるような曲を作りたいなと思いました。周りが見えなくなってしまうときもあるかもしれないけど、本当は1人じゃないんだよ、だから大丈夫だよという歌です。」


――『QQ』は?

「この題名は気になる人もいると思うんですけど、私がアザラシになったつもりで書いた曲です(笑)。ファンの方の中にはご存じの方も多いと思うんですけど、私は昔からアザラシが大好きで。やっぱり好きなモノを歌にしたいなと思い、自分がアザラシ王国の王子になったつもりで書きました(笑)。今回のアルバムはテンポが速くてノリのいい曲が多いので、ちょっとほわっと癒される曲もあってもいいなと思いました」


――『Rainy day』は?


「大切な人がいて、雨の日を過ごすとしたら、どういう風に感じるかと想像しながら書いたラブソングです。雨の日って、気持ちが憂鬱になる事もあると思うんですが、大切な人と一緒にいれば、それだけで幸せと思える。そんな温かい歌です。セリフで始まるようにしたのは、そのほうがより物語性が増すと思い、そうしました」

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